ヒトデの幼生
海のプランクトンには、様々な分類群の動物の幼生が含まれます。その多くは生体とは似ても似つかぬ奇妙な姿をしていて、私にはそれが大きな魅力です。
手元にあるわずかな図鑑によれば、これはヒトデの仲間の浮遊期幼生 ブラキオラリア brachiolaria だと思われます。変態の後期で、吸盤が出来つつあるもののようです。やがてこの吸盤で海底に着生し、ヒトデの幼体となるはずです。
同じ個体を違う角度から。(倍率も少し高くなっています。)
この写真では判別できませんが、全身に細かな繊毛が生えていて、その運動によってときおり体をくねらせながらゆっくり前進(写真では左の方へ)します。
体長約2.2㎜です。
(2010年2月上旬・神戸市垂水区 西舞子海岸にて採集)
これは6年前、同じ季節に採ってきたものですが、先のブラキオラリア幼生の前、ビピンナリア bipinnaria と呼ばれる段階です。
ただし、同種かどうかは不明です。
角度を変えて見たところ。まだ吸盤などが発達していなくて、すっきりした形です。
(2004年1月下旬・神戸市垂水区 西舞子海岸にて採集)
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コメント
幼生を中心としてプランクトンの写真をいくつか出版用にお借りしたく、とりあえずここからご連絡を試みております。8月に出る予定で、もうお尻に火がついた状態です。詳細は出版前なのでここに書くことができません。ご連絡いただけないでしょうか?よろしくお願いいたしまsy。
投稿: 清水洋美 | 2011年6月20日 (月) 11時12分
清水洋美さん、ご訪問ありがとうございます。
早速メールにてご連絡いたします。
投稿: おちゃたてむし | 2011年6月20日 (月) 19時53分