ヨコヅナサシガメ
明石近辺の平地では、これが冬場に見られる最普通種です。
明石公園では今の季節、いたるところで見られる光景ですが、この写真ではアラカシの幹で集団を作って越冬しています。
このあたりでももっと標高の高いところでは樹皮に隠れているのも見ますが、街中の公園などでは冬の間中むき出しの木の幹ですごしています。
木の種類にはうるさくないようで、どこにでもあるソメイヨシノをはじめエノキ・ムクノキ・モチノキ・アベマキなど多種にわたります。ただ必ず径30~40cm以上の太目の幹に限ります。
もとの卵の抜け殻の近くにとどまっていることが多いので、これは母親が産卵場所を選ぶ際の好みによるものでしょう。
暖かい日には集団を離れてうろついているのも見かけますが、また同じ場所に戻ってくるようです。翌年の5月頃羽化して分散するまで、このような状態が続きます。
卵から幼虫、成虫を経て産卵にいたるまで、一年を通じて常に人目に触れる場所で生活している、私などには大変ありがたい虫です。
完全な捕食性の虫ですが、共食いは一度も見たことがありません。
もちろん、それを抑える性質があってはじめて、このように常に集団で暮らすことが可能になるのでしょう。
昭和初期に南方から入ってきた外来種ということですが、私が初めて見た記憶があるのは姫路城の前のソメイヨシノの幹で、1977~8年頃だったと思います。
コールタールを塗ったような体に白黒だんだらのフリル、腹には鮮やかな赤ののぞくこの虫がひしめいているのを見たときは、いささか気持ち悪く、ちょっと手を触れる気になりませんでした。
(2010年2月18日・明石公園)
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コメント
なんとも不気味な集団はヨコヅナサシガメだったのですね。公園で見かけたことがあります。個体でもちょっと・・さわれないですね。
さすがハイクオリティな写真ありがとうございます。どれも見入ってしまいます。カメムシだって、なかなかかわいいですね。
投稿: tana | 2010年2月26日 (金) 01時12分
tanaさん、ありがとうございます。
一応これもサシガメの仲間ですから、さわらない方が無難でしょうね。
他所の国には人間の血を吸う奴もいるそうです。
また、のぞいてみて下さい。
投稿: おちゃたてむし | 2010年2月26日 (金) 20時12分