タマバエ科の一種(?Lestremia sp.)(改題)
落ち葉の下から出てきたハエ?です。
これが「ハエ」なのか「カ」なのかあるいは 小型のガガンポなのか、私には判定出来ませんがとにかく双翅目の昆虫には違いありません。落ち葉の間に沢山いました。
大体膜翅目には「ハチ」「アリ」しかないのに双翅目には上記の他にまだ「アブ」だの「ブユ」だのがあってややこしいことです。
上の写真のが多分オスで、下がメスだと勝手に思っていますが確実ではありません。ただ触角の長さや複眼の大きさ、腹部の大きさなどを見てそう考えただけです。体長(頭から翅端まで)3mmちょっとです。
(2010年1月中旬・明石公園)
* 12月3日追記 *
ezo-aphid さんから、これはタマバエ科の一種であると教えていただきました。
いわゆる虫こぶを作る仲間です。
タイトルを「ハエ?」から「タマバエ科の一種」に変更しました。
* 2011年1月28日追記と写真追加 *
ezo-aphid さんから、この種が属するのはタマバエ科の中のLestremiinae亜科、さらにそのうちのLestremiiniの数属あたりではないかというコメントをいただきました。確認するために単眼数や触角の構造を見たいとのことですので、上の写真を一部拡大した画像を追加しました。また、アーチャーンさんからも、やはりLestremiini族ではないかとのご指摘がありました。興味のある方はお二人からのコメントの他に、そこで紹介していただいた文献やwebサイトに目を通していただけたらと思います。
* 2011年1月29日・タイトル変更 *
ezo-aphidさんからのコメントにあるように、上にあげたオス(左側)の触角の特徴から 、この種はひとまずLestremia属としてもよいのではないかということになったので、タイトルに属名を(?つきで)加えました。
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コメント
ひとこと、おじゃま。
タマバエ科だと思いますが、成虫写真でグループの見当がつく人は、たぶん日本に一人か二人・・・・・(九州大学)。
この落ち葉や付近の植物の虫こぶから、「虫こぶ図鑑」で候補を絞り込んでゆくしかないようですね。公園に、タマバエの虫こぶは多いのでしょうか。
表題を、タマバエ科の一種?とするだけでも、この写真が専門家の眼にとまる機会が増えるのではないかと。
投稿: ezo-aphid | 2010年12月 2日 (木) 14時57分
ezo-aphid さん、
タマバエですか・・・。
そんなハエの仲間がいることは知っていましたが、それがどんな格好をしているのか全く把握していませんでした。
虫こぶについてはこれまでほとんど注意していなかったのでわかりませんが、その虫こぶを採集してきて羽化させるのが一番確実な方法でしょうね。
機会があれば挑戦してみたいと思います。
アドバイスにしたがってタイトルを変更しました。
有難うございました。
投稿: おちゃたてむし | 2010年12月 3日 (金) 06時52分
ふと思いついて、「Manual of Nearctic Diptera」の検索表をひいてみました。
画像には単眼が見えるようなのでLestremiinaeとわかり、翅脈などからLestremiiniの数属あたりと見当をつけました(翅脈は260P,Fig.12に似てます)。頭部を拡大したら、単眼数と触角の構造(265p.)が見えますか?
この亜科は「原始的で、腐植物や菌類(キノコ類)に見つかり、成虫は冷涼な天候で飛翔するようだ」と記されています。幼虫は、植物に虫こぶを作るのが有名ですが、作らずに芽の部分を食べたり、アブラムシなどの捕食性だったり、このような腐食性のものも多いようです。 とすると、ここの種は、落ち葉の分解物などを利用しているもので、多くのコバチ類の寄主になってるのかもしれませんね。
投稿: ezo-aphid | 2011年1月28日 (金) 09時04分
私も以前、植木鉢の下で越冬していた似た様な蚊を撮影したことがあり、正体が良く分からないので「一寸のハエにも五分の大和魂・改」にお伺いを立てたことがあります。結果としては「Lestremiini族の1種」となりました。
その時のスレッド(http://diptera.jp/usr/local/bin/perl/dipbbs/joyful.cgi?list=pickup&num=6112#6112 )を御覧になれば、何か参考になることがあるかも知れません。尚、対応して頂いたアノニモミイア先生とは双翅目の権威、九大名誉教授の三枝豊平先生のことです。
御参考まで。
投稿: アーチャーン | 2011年1月28日 (金) 15時58分
アーチャーン様、ご支援ありがとうございます。分類について詳細なご説明のあるブログは、以前から参考書がわりにたびたび覗かせていただいております。
このタマバエの属の確定には、まず触角の構造などの細部が見えないと難しいと思っています。その先にはどういう形質が必要とされるのか判りませんが・・・・。タマバエ成虫を、外観で判別できそうな研究者として、国内では2人ほどの方が思いあたります。しかし、どうしても害虫と益虫の研究が先行しがちのため、腐食性の群は後回しになっているだろうと想像しています。
投稿: ezo-aphid | 2011年1月28日 (金) 18時03分
ezo-aphid さん、こんばんは。
他に使えそうなカットが無いので同じ画像をトリミングしただけですが、これで多少はわかるでしょうか。
頭頂の単眼は、オスらしき方はピントを外れてはっきりしませんが、メス(?)の方では2個あるように見えます。
触角は、オス(?)のものはおっしゃるように「Manual of Nearctic Diptera」に図示されているLestremia cinerea ♂ に似ているようですが、この精密な図に比較するには写真の解像度がまったく足りません。
それにしても体長わずか2、3mmのハエの触角を、微細な毛の一本一本にいたるまで克明に描かれた図版には感動しますね。
投稿: おちゃたてむし | 2011年1月28日 (金) 20時50分
アーチャーンさん、こんばんは。
早速「一寸のハエ」を拝見しました。
写真からは私の撮ったものとほぼ同種のように見えます。
ほとんど同じ時期の撮影なのも面白いと思います。
三枝先生の引用された翅脈図はezo-aphid さんが示されたものと同じですね。
原文を理解する知識の無い私にも、三枝先生の解説はわかり易くて勉強になりました。
ezo-aphid さんも言っておられるように、同定のポイントをわかり易く解説されたアーチャーンさんの記事には度々教えて貰っています。
これからもよろしくお願いいたします。
投稿: おちゃたてむし | 2011年1月28日 (金) 21時22分
うーん、結局、Anaretella属か、Lestremia属のいずれかでしょう。細部は見えないのですが、MNDの図によれば、雄の触角は48 Anaretellaよりも明らかに38 Lestremiaに似ており、後者の翅脈とも矛盾はなさそうです。
ということで、”素人の場合”は、平気で「?Lestremia sp.」という看板(:これはLestremia属の一種ではないだろうか?、という提案)をあげられます。実は、言ってる内容は三枝先生とほぼ同じなのですが、表現の慎重さと軽率さの違いですね。これより先は、たぶんタマバエ専門家のご意見を戴くしかないでしょう。
投稿: ezo-aphid | 2011年1月28日 (金) 22時44分
ezo-aphid さん、
すみません、Anaretellaの触角の図は見ていませんでした。
これらの図に見られる特徴がそれぞれの属に共通するものなら、Lestremiaに軍配が上がりますね。
ここはご提案をいれて、表題に?つきの属名を揚げさせて頂きます。
投稿: おちゃたてむし | 2011年1月29日 (土) 17時54分
突然、お邪魔します。
写真がきれいに撮れていますが、写真の取り方を教えて下さい。
カメラの種類・などなど・・・・
お願いします。
投稿: eikn | 2011年4月24日 (日) 06時03分
eiknさん、はじめまして。ご訪問ありがとうございます。
主に高倍率の撮影に使っている機材や撮影方法については次の記事で紹介しています。ご参考になれば幸いです。
http://mushi-akashi.cocolog-nifty.com/blog/2011/01/post-d97e.html
投稿: おちゃたてむし | 2011年4月24日 (日) 06時19分