サラサリンガ
前回の記事の、アベマキの幹でクヌギカメムシの孵化の様子を撮影していた時のことです。
ふと気がつけば、足元から毛虫がぞろぞろ列をつくって上ってきます。
ここが列の先頭。
こちらが撮影中なのにもおかまいなく、孵化しつつあるカメムシの卵塊の間を縫うようにして進んできます。別に毛虫が嫌いなわけでもありませんが、ちょっと邪魔です。
それぞれがすぐ前の毛虫のお尻に頭をくっつけるようにして進んでいきます。
嫌いな人には申し訳ありませんが、面白い眺めではあります。
いったいどこから来たのかと、元をたどると・・・
地上30㎝ばかりの幹の表面に、「巣」がありました。(写真右下の矢印の間)
幹のちょっとした窪みに絹糸で天幕が張られていますが、いろいろな異物が混入されていて周囲の地衣類とほとんど見分けがつきません。
図鑑で調べると、サラサリンガの幼虫のようです。その説明によれば、幼虫は群棲して袋状の巣を作り、若齢で越冬して4月頃活動を再開する、とあります。
してみればこの日の出現は随分早いということになります。数日来の、4月なみの高い気温によるものでしょう。
行列は梢に向かってどんどん上っていきますが、餌になるアベマキの若葉が伸びてくるのはまだまだ先のことでしょう。それまでどうしているのでしょう。
あとひと月もすれば、クヌギカメムシの幼虫たちも生まれた場所をはなれて梢に移動を始めるはずです。
(2010年2月22日・明石公園)
ついでに、昨年6月に撮った成虫も出しておきます。
昨年の、この写真を撮った6月頃にはこの蛾があちこちで見られました。
過去にそれほど見た記憶がないので、昨年は特に多い年だったのかも知れません。
(2009年6月16日・神戸市垂水区 学が丘北公園)
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