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2010年2月11日 (木)

Neanastaus albitarsis (ナガコバチ科)(タイトル修正)

今頃の季節、葉の裏でときどき見かける小さなハチです。
_dsc0053
きれいなハチで、見つけると嬉しくて何度も撮影しているのですが、私には名前も習性も分かりません。この冬はまだ見ていないので、これは2年前の写真です。

_dsc0045
少し角度を変えたカットです。
いつもこのように、翅をちょっと持ち上げたような格好でとまっています。
特に気になるのは長大な中脚とその脛節の先のトゲです。何かこのハチの習性に関係があるのかも知れませんが、なにぶんこの写真のような越冬中の個体しか見たことがないもので、それも不明です。(あらためて写真を見ていると、これは中脚ではなく後脚のようにも見えます。)
多分寄生生活をしているのでしょうが、一度その生態を見たいものです。
体長3㎜ほどです。
(2008年2月上旬・明石公園)

 

* 12月15日追記・タイトル修正 *

 

このハチについて「蜂が好き-蜂類情報掲示板」にお伺いをたてたところ、ナガコバチ科 Neanastatus 属の一種であろうとのご教示をいただきました。また ezo-aphid さんが調べて下さった資料によればこの属のハチの多くはタマバエに寄生するそうです。(コメント参照)
遅くなりましたが、タイトルを「コバチの一種」から表記のように修正しました。

 

 

 

* 12月24日追記・タイトル修正 *

 

ezo-aphid さんからのコメントにあるとおり、このハチの種名はナガコバチ科の Neanastaus albitarsis Ashmead、1904 として間違いなさそうです。タイトルを再度修正しました。

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膜翅目」カテゴリの記事

コメント

こんばんは、
冬にも、こんなにキレイはハチがいるんですね。
さて、写真はストロボを使用していると思いますが、どのような構成で使用されているのでしょうか。
私は、普段はストロボ無しで撮ってますが、やはり薄暗いとキレイに撮れませんので、一度ストロボ有りにも挑戦してみようかと思ってます。

投稿: そら | 2010年2月12日 (金) 21時12分

そらさん、こんばんは。
私は小さい虫を撮ることが多いので、ストロボ使用が主になります。
この写真の場合は、小型のクリップオンストロボ(ニコンのSB400)に簡単なディフューザーを付けて、レンズ(ズイコーマクロ38/2.8)の真上から照らしています。
ストロボはこのハチのように光沢の強いものには弱いので、きれいに撮るにはなるだけ発光面積を大きく取って、被写体の周囲を包み込むような具合に照明出来ればいいのですが、今度は被写体に近づくのにディフューザーが邪魔をするということにもなります。
そらさんのブログではヨコバイやチャタテムシなど小さな虫をたくさん撮られていますが、ストロボなしでもこれだけ撮れるんですね。私も試してみます。

投稿: おちゃたてむし | 2010年2月12日 (金) 22時36分

遅レスのむしかえしで恐縮です。
「蜂がすき」のサイトで、Neanastatus sp.(Eupelmidaeナガコバチ科)らしいとのお返事を見かけたので、[Calcidoidea]で調べてみました。この属には世界に48種いて、多くはタマバエに寄生するとのことです。日本からはただ1種 N. albitarsis Ashmead, 1904 だけで、原典にあたっていませんが、この寄主はたぶん不明だろうと思います。名前の「白い・ふ節」というのは、画像のナガコバチの後脚とよくあってますが、必ずしも同定の当てにはならないでしょう。彼は、シロオビタマゴバチ(Mesocomys albitarsis)にも同じ名前をつけています。

投稿: ezo-aphid | 2010年12月15日 (水) 12時46分

ezo-aphid さん、お手数おかけします。
「蜂がすき」ではひと月も前にお返事をいただいていたのですが、記事を修正するのを忘れていました。
同属の多くはタマバエに寄生するとのことですが、この種も同様だとすれば虫こぶに産卵する場面を見ることが出来るかも知れないということですね。もっとも私の場合、その前にまず虫こぶについてもっと知識を仕入れなくてはなりませんが。

投稿: おちゃたてむし | 2010年12月15日 (水) 17時45分

驚きました、さすがにネット社会ですね。
Calosoter albitarsisと検索したら、なんとSmithonian museumにあるType標本の画像が出てきました。タイプ標本の褪色は激しいのですが、黒っぽい部分はここの画像と合致しています。熱海産の3雌に基づく原記載は、例のDatabaseに載っているのが判り、カラー画像と矛盾点はなさそうです(少し記載不足ですが)。もっと注意深く検討すべきとは思いますが、コーフン状態の素人判断では albitarsis Ashmead に決まりですっっ!。採集者のAlbert Koebeleというドイツ人は、USDA(米農務省)の天敵ハンターとして著名な人のようです。

http://www.chalcidtypes.com/default.asp?Action=Show_Types&Single_Type=True&TypeID=211

投稿: ezo-aphid | 2010年12月18日 (土) 23時08分

ezo-aphid さん、おはようございます。
Type標本の画像を早速見ました。私だったら迷わず同種と決めてしまいそうです。
スミソニアン博物館のサイトは他の種名で検索していて偶然出てきたことがありますが、さすがですね。
寄主生物の記載がないのが残念ですが、そんなに珍しい種でもなさそうなので、運が良ければそのうち確かめられるかも知れません。
有難うございました。

投稿: おちゃたてむし | 2010年12月19日 (日) 07時02分

エゾ地は大雪警報中です。
この画像については、コバチ類の分類研究者である上條一昭さんから、Neanastaus albitarsis Ashmead、1904 (ナガコバチ科、和名なし)に違いなさそうとの同意を戴けましたので、表題を換えませんか? 短かめにして、「Neanastaus albitarsis (ナガコバチ科)」 というのはどうでしょう。 私の推測では、このナガコバチは原記載を含めて100年以上図示されたことがないはず(スミソニアン博の画像は別として)。まして、生存時の体色が表現されたのは初めて。オチャタテさんは淡々として、「そんなに珍しくなさそう・・・・」なんて言ってますけど、田沢湖のクニマス(再発見、70年物)以上でしょう。和名を考えてみるのも一興かも(シコンナガコバチとか)しれません。

投稿: ezo-aphid | 2010年12月23日 (木) 10時17分

ezo-aphid さん、こんばんは。
最初科名の見当もつかなかったのに、とうとう種名まで知ることが出来たのは嬉しい限りです。
多くの資料を調べて下さったezo-aphid さんや、写真を見てくださった上條一昭さんに感謝いたします。
でもこんなにきれいで特徴のあるハチなのにこれまで図示されていなかったとは不思議ですね。
少なくとも写真くらいはどこかで撮影されているのではないかという気がします。
「紫紺ナガコバチ」、いい名前だと思います。

投稿: おちゃたてむし | 2010年12月24日 (金) 21時39分

こんばんは。
このお写真を拝見してから、いつか遭遇したいと思っていましたが念願が叶い甘い写真が多いですが何枚か撮影出来ました。
サイズもほぼ同じできっと同種と思います。能がありませんがタイトルをそのまま同じにして18日早朝に掲載予定です。
コメントを拝見するとタイトル変更までの流れに感動を覚えました。今度はきっと寄生の現場を押さえてくれることと期待しております(^^

投稿: BABA | 2011年12月17日 (土) 22時43分

BABAさん、おはようございます。
記事拝見しました。
やはりご近所ですね、私も数日前、2年ぶりにこのハチを見つけました。同定に関しては例の如く他力本願でしたが、ezo-aphidさんに教えられてスミソニアンのタイプ標本の画像を見たときは感動しました。寄生の現場については・・・いったい何に寄生するんでしょうね。

投稿: おちゃたてむし | 2011年12月18日 (日) 07時24分

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