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2010年5月 4日 (火)

アシナガオニゾウムシ

  公園の一角に積まれた伐採木の中に太いエノキの枯れ枝があって、小さな穴からアシナガオニゾウムシが顔を覗かせていました。

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立ち枯れのエノキによく集まっているごく普通のゾウムシです。
幼虫時代を過ごした枯れ枝の中で羽化したあと、外界に通じる穴を開けて脱出してくるところです。

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意外に立派な大あごで穴の周囲をかじって通路をひろげていきます。

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もう充分と思ったのか身を乗り出してきましたが、体がつかえて出られません。もう一度引っ込んでさらに穴をひろげます。
無事脱出するまでにこんなことを何度か繰り返しますが、この状態で力尽きて死んでしまったものもよく見かけます。

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最初に見つけてから約2時間後、ようやく脱出を果たしました。
これはメスです。

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メスの努力を見守っている間に、すぐ近くからオスが先に出てきました。
こっちの方は一回目の試行で脱出成功です。

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出てきたばかりのメス。体長7mmくらいですが、この種は体長の個体差が大きくて、これはかなり小さめです。

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おなじく出てきたばかりのオス。
メスに比べて前脚が非常に長く、これが種名の由来です。
これから初夏になれば、立ち枯れのエノキにこのゾウムシがたくさん集まって、さかんに交尾したり、メスをめぐってオス同士が喧嘩したりするのが見られます。

(2010年4月29日・明石公園)

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コメント

またまた、怪しいおじさんですね(^o^)

ゾウムシって拡大すると、こんな風にうろこ状になっているんですね。
エノキの立ち枯れがあったら、探してみようと思います。
横浜にはどこにでも(道端にでも)エノキがたくさんあったのですが、
こちらはあんまりありません(^_^;)

ウロコアシナガグモ、あちこちでとてもよく見かけるのですが、交接を見たことはありません。
探し方が甘すぎますね(^_^;)

投稿: 夏子 | 2010年5月 4日 (火) 20時41分

夏子さん、こんばんは。
明石公園ではエノキが多くて、弱った木や立ち枯れの木にはいろんな虫が集まってきます。
とても貴重な存在ですが、ご他聞にもれず枯れ木や枯れ枝はすみやかに伐採される傾向にあるのが悩みの種です。

投稿: おちゃたてむし | 2010年5月 4日 (火) 22時01分

はじめまして。
アシナガオニゾウムシの眼までくっきり写されていて興味深く見ています。
時々見たことがありましたが、羽化する様子は初めてです。

カメムシの名前を教えてくださりありがとうございました。
初夏に出てくるエノキの木の玉虫を楽しみに毎日を送りたいと思います。^^

投稿: らいとNGC7000 | 2010年5月 4日 (火) 22時49分

らいとNGC7000さん、その節は失礼いたしました。
さっそく覗いていただいてありがとうございます。
このお名前、もしかして天文ファンの方でしょうか。

あの公園には長年通っていますが、昆虫の写真を撮っているという人にお目にかかったのは初めてです。
またお会いすることもあるかと思います。
これからもよろしくお願いします。

投稿: おちゃたてむし | 2010年5月 4日 (火) 23時26分

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