イスノキハタマフシとヤノイスアブラムシ
いつもの公園によく目立つ虫こぶがたくさんついた木を見つけました。
はじめ木の名前がわからなくて詳しい人に教えてもらったのですが、このイスノキという木には必ずと言ってよいほどこのような虫こぶができるそうです。
薄葉 重著「虫こぶハンドブック」で調べると、この虫こぶはイスノキハタマフシと呼ばれるもののようです。植物の組織を刺激してこの虫こぶを作らせるのは、ヤノイスアブラムシというアブラムシの一種です。
一つの虫こぶを切り開いてみました。
真ん中の大きいのが卵から孵化してこの虫こぶを形成した「幹母」、まわりの小さいのがその幹母が無性生殖で産んだ♀幼虫でしょう。
丸々と太った幹母はまだまだ多くの幼虫を産み続けるものと思われます。
同じ木の別の虫こぶです。すでに大きくなった幼虫がひしめいていて、幹母がどこにいるのかわかりません。
先にあげた本によると、7月には有翅の成虫が虫こぶから脱出し、コナラに移住するということです。
(1枚目:2010年4月29日/2~4枚目:2010年5月12日・明石公園)
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コメント
こんにちわ。
これは良い画像ですね!
虫こぶとその寄生者を紹介したHPはけっこうありますが、掲載画像が小さくてなかなか参考になるようなものが無く困ってました。自分で撮るにしても、私のカメラではここまで拡大した写真は撮れず、虫こぶ内の微小な虫にピントもまず合いません。
また何か虫こぶ関係を見つけたら、是非撮ってください(なんちゃって。笑)。
投稿: フッカーS | 2010年5月21日 (金) 17時53分
フッカーSさん、こんばんは。あたたかい励ましに感謝いたします。
これまで虫こぶにはほとんど注意を払ってこなかったのですが、最近になってもっとも苦手とする植物名について強力な助っ人が現れたものですから、恐る恐る手をつけてみる気になったという次第です。
というよりも、ブログなど始めてしまうと毎日ネタ切れが心配で、えり好みをしていられないと言うのが本当のところかも知れません。
というわけでこれからも機会があれば、よくわからないなりに取り上げてみたいと思います。
投稿: おちゃたてむし | 2010年5月21日 (金) 23時46分