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2010年6月20日 (日)

モチノキタネオナガコバチの産卵(改題)

以前モチノキの実に産卵するミバエの一種、さらに同じ木の実に産卵するハチの一種の記事を載せましたが、それから約1ヶ月後、また別種のハチが同じ木の実に産卵していました。

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産卵管を突き立てて穿孔を始めたところです。オナガコバチの一種だと思います。

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目一杯挿入するまで20分ほどかかりました。

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一回の産卵を終えた後、化粧行動をしています。
冬の間、これとよく似たオナガコバチの一種を落ち葉の間や葉裏でよく見かけます。体の形や色など非常によく似ていると思うのですが、今回の種の方がかなり大きく(体長約5mm)、産卵管もはるかに長いので別種でしょう。
5月始めから、同じモチノキの実に産卵する昆虫がこれで3種目です。このハチが他の2種のいずれかに寄生するのか、未知の別種が宿主になるのか、あるいはそもそも寄生性ではなくて直接実を食べて育つのか、私にはわかりません。
* 入れ忘れていた写真を1枚目に追加しました。(6月20日夜)

(2010年6月11日・明石公園)

* 12月3日追記 *

ezo-aphid さんに詳しく検討していただいた結果、このハチはオナガコバチ科のモチノキタネオナガコバチであろうと言う結論に達しました。詳しくは12月2日付けの「ニッポンオナガコバチ?」の記事へのコメントをご覧ください。また最初寄生バチかと思ったのは間違いで、この仲間は植物の実を食べて育つようです。タイトルを「オナガコバチの一種の産卵」から「モチノキタネオナガコバチ?の産卵」に変更しました。

* 2011.1.23 追記とタイトル変更 *

その後、この画像を見てくださった上條博士から次のようなコメントをいただきました。

「モチノキタネオナガコバチの雌(Macrodasyceras hirstum Kamijo)に間違いありません。ニホンオナガコバチに近縁ですが、5月下旬~6月と8月に年2回羽化し、種子の中で幼虫態で越冬することがわかっています。」

年2回の羽化ということは、産卵期も2度あるということでしょうか。この写真を撮った後、羽化してきたハチが見られないかと同じ木を注意していたのですが、1匹も見ることが出来ませんでした。ニッポンオナガコバチと違ってこの場所では個体数が少ないようです。タイトルの種名から「?」をはずしました。

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