セイボウの一種とハムシドロバチの一種
寺の山門にドロバチの巣穴がたくさん開いていて、その寄生者らしきセイボウの一種が数匹うろついていました。
この一匹は上に見える巣穴に狙いを定めているようです。頭を巣穴に向けて待機中です。
なぜか寄生バチには美しいものが多いですね。
目の前の巣穴に注意を集中させているようで、レンズを近づけても動じる気配がありません。
ときどき巣穴に近寄ってきてようすを探っています。
一度侵入してすぐまた出てきました。産卵のタイミングをはかっているのでしょう。
家主のハチが帰って来るのを待っていたのですが姿を現さず、代わりにすぐ近くのいくつかの巣穴にはハチの出入りが見られました。
獲物をくわえて戻ってきたのはハムシドロバチの一種のようです。セイボウの見張っている巣穴もこのハチのものでしょう。
(2010年6月4日・神戸市中央区 再度谷)
* 追記と写真追加(2011.7.20) *
上のセイボウについて shige さんより、ナミハセイボウ、あるいはホソヨツバセイボウではないかとのご指摘を受けました。前者の和名が腹端部の形状をあらわしているものとすれば、(ナミハ=波歯?)このハチの特徴に一致すると思ったのですが、根拠としてはいささか薄弱ですね。下にその部分の拡大画像を追加しておきますので、これで何かおわかりになる方がおられたらご教示お願いします。
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コメント
またまた、見とれてしまいました。(毎日のことですが。)
一度子どもが偶然見つけたセイボウが忘れられずに、また会いたいなと漠然と思っていましたが、
こういう行動をするんですね。
習性がわからないと、再会は望めませんね(^_^;)
とりあえず、近所にイラガの繭が大量にある街路樹がありますから、
その辺りで期待してみようかな・・・と思います。
投稿: 夏子 | 2010年6月16日 (水) 20時16分
夏子さん、こんばんは。
イラガの繭が大量に、とは羨ましい限りです。我が家の近所では平べったいアオイラガの繭ばかりで、イラガのはほとんど見ません。
繭に産卵するイラガイツツバセイボウというのを一度見たいのですが。
投稿: おちゃたてむし | 2010年6月16日 (水) 23時51分
確認してみましたら、ヒロヘリアオイラガ・・・のようです(^_^;)
投稿: 夏子 | 2010年6月17日 (木) 09時50分
夏子さん、
ヒロヘリならこちらにいるのと同じですね。
とても繁栄しているようですが、あまり強力な寄生者がいないんでしょうか。
投稿: おちゃたてむし | 2010年6月18日 (金) 09時52分
写真のセイボウはミドリ(イツツバ)セイボウのようですね。
ルリジガバチに寄生するのが知られています。
ヒロヘリアオイラガにはノヒラチビトガリヒメバチ(Litochila nohirai)というヒメバチの仲間が都市部などでもよく寄生していますね。ヒロヘリアオイラガの繭が頭から綺麗に脱出していなかったりすると大概はノヒラが出た跡です。
投稿: shige | 2011年7月16日 (土) 07時16分
shigeさん、こんばんは。ご訪問ありがとうございます。
実は以前にミドリイツツバセイボウと自分では思っているものを何度か撮影しています。同じ場所(古い農家の納屋)にルリジガバチも多数営巣していることや、腹端の「五つ歯」などの特徴からミドリイツツバと判断したのですが、このセイボウはそれとは別種と考えています。体つきがかなり細身で、また上の画像からは認めにくいのですが腹端の写ったカットを拡大してみると明瞭な歯状突起がなく、ゆるい波型が認められるだけで、あえて言えば「二つ歯」になるようです。いかがでしょうか。
ヒロヘリアオイラガの繭はこのあたりではいたるところで目にしますが、おっしゃるようにきれいな円形の脱出口ではなく、無理やり破られたような穴の開いたものも結構見かけます。そのノヒラチビトガリヒメバチも繭に産卵するんでしょうか。一度その場面を見たいですね。
投稿: おちゃたてむし | 2011年7月16日 (土) 20時45分
おちゃたてむしさま、
すいません!! ミドリセイボウの大きさと特徴をご存知なら、写真のセイボウはミドリでは無いですね。
ハムシドロバチに寄生しようとしていますし、おそらくナミハセイボウかホソヨツバセイボウでしょうね。
ノヒラチビトガリヒメバチは晩夏~秋に出現し、アオイラガの繭に産卵管を突き立て、中の前蛹や蛹に産卵します。
投稿: shige | 2011年7月20日 (水) 07時10分
shigeさん、おはようございます。
ナミハセイボウという名をこれまで知らなかったのですが、その和名が(ナミハ=波歯と考えて)写真のハチの特徴に合うように思ってネットで検索すれば、決定的ではありませんが、かなり良く似た画像がいくつか出てきました。ホソヨツバの方は腹端に明瞭な歯状突起を持っているそうなのでこれとは違うと思います。いずれにしても腹端の形が重要な判別点になるようなので、写真を1枚追加しておきます。
ノヒラチビトガリヒメバチについてのご教示ありがとうございます。今年のシーズンには是非産卵場面の撮影に挑戦してみたいと思います。
投稿: おちゃたてむし | 2011年7月20日 (水) 11時17分