脱出できないシロスジカミキリ
アラカシの幹に、今年のものと思われるシロスジカミキリの大きな脱出口が二つならんで開いています。
覗き込んでみればやはりこれもシロスジカミキリです。長い幼虫生活を終えてようやく外界に出たと思ったら、目の前にもう一つ厚い壁が立ちはだかっていて進退きわまったという格好です。
カミキリムシの生活史について詳しくは知りませんが、おそらく幼虫時代の最後、蛹になる直前に、幹の表面のすぐ近くまで掘り進んできていたものと思われます。羽化したあとは最後の薄い壁一枚を噛み破るだけでよいはずだったのでしょう。
しばらく様子を見ていましたが、なすすべもなく頭を動かしているだけで、新たな突破口を切り開くのは難しいように思われました。
* 正常な脱出の様子はこちらの記事に載せています。
(2010年6月11日・明石公園)
| 固定リンク
「鞘翅目」カテゴリの記事
- ヒロオビジョウカイモドキ♂の触角(2019.07.21)
- モンキゴミムシダマシ(2019.07.20)
- ハイイロゲンゴロウ(2019.07.14)
- シオヤアブ(2019.07.13)
- ヒメハナノミの一種(2019.07.10)
コメント
幼虫の方がアゴが強いのか、それとも体の形が穿孔に向いているのか・・・、
カミキリムシもいろいろ大変なんですね~。
投稿: 夏子 | 2010年6月22日 (火) 19時31分
夏子さん、こんばんは。
この種に限らず、枯れ木や生木の中で育つ昆虫にとって、羽化・脱出は最大の難関なんでしょうね。実際、脱出に失敗してそのままアリの餌になっているのもよく見かけます。このシロスジも、人情としては何とか手助けしてやりたいと思ったのですが、ポケットナイフくらいでは間に合いそうもなく、あきらめました。
投稿: おちゃたてむし | 2010年6月22日 (火) 21時26分