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2010年6月25日 (金)

タマゴクロバチの一種

前回の記事と同じ、仕事場近くの緑地です。タマゴクロバチの一種と思われる小さなハチが3匹、ヤマモモの葉の表に産みつけられたカメムシの卵に集まってきていました。他種の昆虫の卵に産卵する寄生バチで、特にカメムシの卵を好むようです。

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卵を産んだカメムシの種名ははっきりしませんが、すぐ近くのツツジに残っていた卵殻と孵化直後の幼虫から、チャバネアオカメムシのものと推測しています。

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ならんだ卵の上を触角でさぐりながら歩き回っています。産卵のそぶりは見せないし、卵の方も色合いからして孵化(というより寄生バチの羽化?)が近そうなので、おそらくメスの誕生を待つオスバチだと思います。

約1週間後、同じ緑地のサクラの葉の裏で、同様の光景を見つけました。

_dsc9052
卵はやはりカメムシのものですが、上のとは種が違います。10個のうち5個はすでに開いていますが、正常にカメムシが孵化したのならきれいに開いた円い蓋が残っているはずなので、卵から出てきたのはやはり寄生バチだったようです。ということは、上でじっとしているハチはこれもメスを待つオスバチだと思われます。
撮影した時は最初にヤマモモで見つけたのと同種だと思ったのですが、写真をよく見れば触角の形や背面の様子が異なっているので、別種のようです。大きさはほぼ同じ、1.3~1.4mmくらいです。

最初の、ヤマモモについていた方の卵は自宅に持ち帰って、数日後からぼつぼつとハチが羽化してきました。その様子は次の記事で紹介します。

(1・2枚目:2010年6月9日 / 3枚目:2010年6月17日・神戸市中央区)

* 追記と訂正(2010.6.25)

記事の最後に書いたようにヤマモモについていた方の卵からハチが羽化してきたのですが、その時撮った写真をよく見ればこの記事で出した二つの型のハチがとなりあった卵から出てきていることがわかりました。つまりこれらはやはり同種の、おそらくオスとメスということになります。誤った推測を削除しました。羽化の様子は次回の記事で出します。

*追記と訂正・2(2011.1.6)

これらのハチについて、 Kurobachiさんから詳しいコメントをいただきました。
それによると、これらはタマゴクロバチ科のTelenomus属の可能性が高く、上2枚は産卵行動中のメス、下は羽化してくるメスを待つオスで、ただし同種か否かは不明、ということです。詳しくはコメントを参照してください。

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コメント

 時期外れのコメントで失礼します.
 これらの写真では属の同定も怪しいのですが,消去法で考えるとタマゴクロバチ科のTelenomus属の可能性が高く,真ん中の写真は,どちらかと言うとTelenomus gifuensis に近いのではないかと思います.Trissolcus属の可能性も否定できませんが,Trissolcus plautiaeの場合には中胸楯板(胸部背面の円盤)に2本の短い溝があり,触角は黄褐色ですので,全く異なります.
 上の2枚は産卵(寄生)中の雌,下の写真は羽化してくる雌を待つ雄ですが,下の雄の写真は寄主が違うので,同じ種類の雄かどうかはわかりません.

投稿: Kurobachi | 2011年1月 6日 (木) 10時30分

Kurobachiさん、ご教示有難うございます。
こんな小さなハチの名を知ることは素人には到底無理なので、せめてどれとどれが同種、あるいは別種で、雌雄の別はどうか、ということくらい判ればと思うのですが、それも難しいんですね。
撮った写真を見ながらあれこれ推測していたのですが、ほとんど間違っていたようです。記事を修正しておきます。

投稿: おちゃたてむし | 2011年1月 6日 (木) 22時43分

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