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2010年6月23日 (水)

イヌビワオナガコバチの産卵

イヌビワの実に集まってきたイヌビワオナガコバチです。

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このイヌビワの実にはイヌビワコバチという、同じような小さなハチが入り込んで虫えいを作っていて、それに寄生するのがこのイヌビワオナガコバチです。

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体長2mmほどの小さなハチですが、産卵管は体長の2倍以上あります。長過ぎてお尻を目一杯持ち上げても垂直に立てることができないので、斜めに突き刺して後ずさりしながら挿入していきます。

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体の後ろにのびているのは産卵管の鞘で、その付け根あたりから実に入っているのが産卵管の本体です。せいぜい髪の毛ほどの太さで、この中を通して産みこまれる卵というのはどんな大きさなんでしょうか。

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この写真では産卵管は完全に鞘からはなれて、腹部の下から実に入っています。

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最後に産卵中の顔のアップです。

イヌビワの実は、イチジクと同じように内側に花のならんだ袋のようになっていて、その中にイヌビワコバチが入り込んで産卵し、虫えいをつくります。実の中で羽化したメスバチが外に出てまた別の実にもぐり込んだときに授粉するというわけで、このハチの世話にならない限りイヌビワの花が受粉することはできないということです。そのあたりの話は複雑で、私にはよく理解できていないのでこれ以上詳しく紹介することはできません。

(2010年6月11日・明石公園)

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コメント

おはようございます、
わたしはイヌビワもイチジクも、イチジクコバチ科は一種も見たことがありません。
明石公園ってすごいところをフィールドにしているように見えますが、
2ミリ以下の世界、いよいよ本領発揮してますねぇ・・・。

投稿: jkio | 2010年6月23日 (水) 08時10分

jkioさん、こんばんは。
私も初めて見たときは珍しい種かと思ったのですが、この時期イヌビワの実を丹念に探せば結構見つかります。小さいのでかなり近づかないと見えませんが。
私の探索範囲では、今頃みなさんのサイトを賑わしているような大きくて魅力的な虫はほとんど見られないので、このような小さいもの相手にどんどん特殊化していくようです。

投稿: おちゃたてむし | 2010年6月23日 (水) 22時27分

すごく美しい写真ですね。感心してます。カメラとレンズは何を使っていますか?
教えて下さい。

よろしくお願いします。

投稿: tamamushi | 2011年7月10日 (日) 15時14分

tamamushiさん、ご訪問ありがとうございます。
この記事の写真に使ったカメラはニコンD200、レンズは1枚目がズイコー1:1マクロ80/4、他がズイコーマクロ38/2.8です。次の記事に少し詳しく紹介しています。
http://mushi-akashi.cocolog-nifty.com/blog/2011/01/post-d97e.html

投稿: おちゃたてむし | 2011年7月10日 (日) 20時19分

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