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2010年7月20日 (火)

フサゴカイの一種(?)の幼生

一年を通じてよく見られるプランクトンの一つです。よく見る割には未だに名前もわからないのですが、ゴカイの仲間のフサゴカイの一種の幼生のようです。

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ミノムシかトビケラの幼虫のようなすみか(棲管)に入っているイモムシのような形の生き物です。さかんに出入りしながら口器の周りの繊毛を動かして餌を採っているようです。

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棲管は円筒状ですが必ず両端で太さが違います。動物の成長につれて太い方の端に材料を付け足していくからでしょう。ケイソウの殻をつづり合わせて作られていて、透明でキラキラ輝くとてもきれいなものです。

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この家は両側が開いていて、中の幼生はときどきその中で体を反転させて反対側に顔を出します。以上3枚は同一個体です。

同じ種の、もう少し成長が進んだ段階と思われるものを次に出します。

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大きさも2倍くらいになっていますが、形も変化しています。棲管もほぼ透明になっていてケイソウの殻の形も消え、、この写真ではわかりませんが縦方向から見るときれいな五角形になっています。

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やはり中で反転することができます。

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撮影を続けるうちになぜか棲管から抜け出してしまいました。これまでにも裸の幼生や空き家になった棲管を見たことがありますが、周囲の環境が悪化(採集され、閉じ込められ)したことへの対応なのかも知れません。以上3枚は同一個体です。

ところで、はじめの小さい個体とあとの大きいのとでは棲管の形が全く違います。この中間段階と思われるものを以前に見たことがあるのですが、その個体では棲管の半分は円筒形で嵌め込まれたケイソウの殻が形をとどめていて、残りの半分は五角形でケイソウの殻の名残は消えていました。つまり棲管の成長にともなって、材料であるケイソウの殻は溶かされて周囲に同化していくのだと考えられます。
ケイソウの分類には殻に見られる微細な彫刻の違いが重要なので、同定のためには強酸を加えて加熱し、観察の邪魔になる内部の組織を取り除く必要があるそうです。そんな処理にも変化しない物質をこのゴカイの幼生が溶かして棲管を作っているとしたら、大した能力ということになりますね。

(2010年7月13日・神戸市 西舞子海岸で採集)

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コメント

海洋プランクトンの図鑑(借りた)でゴカイを知ったのですが、
写真では初めてみました!!!
きれいな白色ですね

投稿: ぺろぽんぱ | 2010年8月11日 (水) 15時25分

ぺろぽんぱさん、
私の持っているのと同じ図鑑かも知れませんね。
この方面の図鑑で一般向きのものは、新しいのがほとんど出ないので困ります。
このゴカイの幼生ですが、中身はともかく、その住処は本当にきれいですよ。

投稿: おちゃたてむし | 2010年8月12日 (木) 00時14分

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