オオヒシウンカ(タイトル変更)
*記事の最後に訂正があります*
例年7月になると現れる大型のヒシウンカです。
頭端から翅端まで12mmほどあります。腹部についている白い綿のようなものはハゴロモヤドリガの幼虫のようです。セミに寄生するセミヤドリガの仲間で、ベッコウハゴロモなどハゴロモ類に寄生する蛾です。
近くにいた別個体です。これもヤドリガに寄生されています。
この公園でもベッコウハゴロモやアミガサハゴロモは珍しくはありませんが、そのどちらでもハゴロモヤドリガに寄生されたものをまだ見たことがありません。
このオオヒシウンカは出現時期が限られていますが、この場所では寄生率はかなり高いようです。
やや小さめの、寄生を受けていない 個体です。警戒すると幹の裏側に回り込みますが、あまりしつこく追い回すとぴょんと跳ねて逃げてしまいます。
ネムノキにつくそうですが、この公園にもネムノキはあるものの、特にその木で見たという記憶がありません。この写真はキンモクセイ、上の二枚は樹種を記録していません。
(1~2枚目・2010年7月5日/3枚目・2010年7月7日 明石公園)
*訂正とタイトル変更(7月31日)*
Aclerisさんからのご指摘により、ウンカの腹端に付着した白いものはハゴロモヤドリガの幼虫ではないことがわかりました。おそらくウンカ自身が分泌した蝋状物質だろうと言うことです。以前から疑問を感じていたAclerisさんが、自ら採集して確認されたとのことです。私はと言えば、他所のサイトの記事を鵜呑みにしただけで、お恥ずかしい限りです。詳しくはコメントをご覧ください。
(タイトルは変更しましたが、元の記事は繁雑になるのでそのままにしています。)
| 固定リンク
「半翅目」カテゴリの記事
- ホシヒメヨコバイ(2019.07.28)
- ミズムシ科の一種・幼虫(2019.07.26)
- ヒゲナガサシガメ幼虫(2019.07.25)
- トサカグンバイ(2019.07.22)
- クサギカメムシ1齢幼虫(2019.07.19)
コメント
おちゃたてむしさん、コンニチワ。
いつもきれいな写真を感心しながら見せていただいてます。
さて、みんなで作る日本産蛾類図鑑にも、ハゴロモヤドリガとして本種の写真が載っていますが、この白いのはハゴロモヤドリガではありません。
ハゴロモヤドリガの幼虫は、普通腹部の脇に付着し。腹部先端には寄生しません。
みんなで図鑑の画像を見たときも、疑問に思っていたのですが、実物を見ていないのでそのままになっていました。
それが先日、私もマイフィールドで貴写真と同じものを見つけ、持ち帰って確認してみました。
結果、腹端部の白いものは、オオヒシウンカ自身が分泌している蝋状物質で、ヤドリガ幼虫ではないことを確認しました。
持ち帰ったオオヒシウンカはメス個体だったので、ひょっとしたら産卵の時に利用したりするのかしら?と思ってみたり。
以前から気になっていたことを調べるきっかけになりました。
ありがとうございました。
投稿: Acleris@会社 | 2010年7月31日 (土) 18時48分
Aclerisさん、ありがとうございました。ハゴロモヤドリガではなかったんですね。
今回ウンカの写真を記事にするために調べた複数のサイトで、同じような状態の画像に同じ説明がついていたもので、そのまま鵜呑みにしていました。
確かに言われてみれば、ハゴロモ類に寄生した幼虫の写真(実物は見たことがありません)とは形がまったく違いますし、「寄生率」が異常に高いことや、同じ場所で多く見かけるハゴロモ類ではついぞ寄生を見たことがないなど、疑問に感じてしかるべきでした。
やっぱり、捕まえて自分の目で確認すると言うのが基本ですね。とても勉強になりました。
これから記事を修正します。今後ともよろしくお願いします。
投稿: おちゃたてむし | 2010年7月31日 (土) 20時22分