« ツバキシギゾウムシ | トップページ | ケイソウとツリガネムシ »

2010年7月18日 (日)

幼生2種:ブンブクとクモヒトデ

棘皮動物の幼生2種です。

最初はブンブク類のエキノプルテウス(Echinopluteus)と呼ばれる幼生です。
これはウニの仲間で、ブンブクチャガマとか、タコノマクラ、カシパン、オカメブンブクなどといった面白い和名の種が含まれます。子どもの頃、海辺の貝拾いでよくタコノマクラの、アンパンを押しつぶしたような形の殻を拾った記憶があります。

_dsc2184

_dsc2245

_dsc2303
上の3個体は多分同種で、成長段階が違うだけでしょう。かなり繊細な生き物で、採集や移動の間に一枚目の個体のように細長い腕が折れてしまうことがよくあります。この写真ではよくわかりませんが、体全体が細かい繊毛におおわれていて、その運動で長い腕を前にしてゆっくりと前進します。

次はクモヒトデの仲間の、オフィオプルテウス(Ophiopluteus)幼生です。

_dsc2467
ヒトデという名はついていても分類上普通のヒトデとは綱の段階で所属が違うので、幼生の形も全く違って、むしろウニや上の写真のブンブク類によく似ています。やはり繊毛を動かして、腕ののびた方向にゆっくり移動していきます。ブンブクの幼生も同じですが、繊毛以外の動きがほとんど見られないのでちょっと不思議な眺めです。この幼生としてはまだかなり小さいようで、大きくなれば2mmくらいにはなるはずです。

(2010年7月13日・神戸市 西舞子海岸で採集)

|

« ツバキシギゾウムシ | トップページ | ケイソウとツリガネムシ »

海のプランクトン」カテゴリの記事

コメント

おはようございます、
いよいよ始まりましたね「・・・ときどきプランクトン」の世界。
梅雨も明けたし、海辺の季節ですからね。
内容はさっぱりわかりませんが私には未知の世界、
きれいな画像とともに楽しみにしています。

投稿: jkio | 2010年7月18日 (日) 08時42分

jkioさん、こんばんは。
このブログを見てくださる数少ない方々の大半にとってあまり関心のない世界でしょうが、まあこんなものを眺めて楽しんでいる奴もいるのだと思ってご笑覧いただければ幸せです。
でも本当に、結構面白いものですよ。

投稿: おちゃたてむし | 2010年7月18日 (日) 20時42分

なんでプランクトンってこんなきれいな色なんだろう・・・
ブンブクの白色だって全然濁ってない、綺麗な色ですよね!!!
生命の神秘ですね・・・・
先っちょがマッチ棒みたいなのが可愛いですね

あと、ちなみにまあ、どうでもいいことなんですが、
私は べろぼんば でなく ぺろぽんぱ です。。。

投稿: ぺろぽんぱ | 2010年8月12日 (木) 14時01分

大変失礼しました。ぺろぽんぱさん、ですね。
言い訳になりますが、このところ老眼もすすんで来たようで、無理をせずにブラウザの文字表示を大きくしないといけないようです。
私のかわいいプランクトンに関心を持っていただいてありがとうございます。

投稿: おちゃたてむし | 2010年8月12日 (木) 14時47分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 幼生2種:ブンブクとクモヒトデ:

« ツバキシギゾウムシ | トップページ | ケイソウとツリガネムシ »