ケイソウとツリガネムシ
ケイソウ(珪藻)の一種(Chaetoceros属?)にツリガネムシの一種(Vorticera属)がくっついて、一緒に漂っています。
ツリガネムシは口の周囲の繊毛をさかんに動かしながら、ときどき素早く柄を収縮させるという動作をくりかえしています。その運動で起こる水流によるものか、全体がごくゆっくりと、軸を中心に回転しながら移動していきます。一定の方向はなく、しばしば止まったり逆方向に動き始めたりと全くランダムな動きですが、おおむね長軸方向に進むようです。
ケイソウは単細胞生物ですが、この種ではその個体がたくさん連結して群体を作っています。これは上のものより小さな群体ですが、採集の際に壊れたのかも知れません。
この状態を共生と呼ぶのかどうか知りませんが、他の種のケイソウでは見たことがありません。少なくともツリガネムシにとっては利益があるんでしょう。
(2010年7月13日・神戸市 西舞子海岸で採集)
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コメント
おはようございます。
夏の暑さには、やはり涼しげな写真を見るとほっとした気分になれます(^^)。
おちゃたてむしさんのブログで、プランクトンを目にするようになりましたが、ムシの世界とは違った神秘的な世界が何とも言えませんね。
ちなみに、深海の独特な形状と成体を持った生き物なんかも大好きです(^^)。
投稿: そら | 2010年7月19日 (月) 08時24分
そらさん、こんばんは。
テレビのドキュメント番組で見るくらいで実物を見る機会はありませんが、深海の生物は魅力的ですね。
重力の束縛を受けないからでしょうが、陸上では考えられないような奇抜な姿は私も大好きです。
近所の海岸で採集できる程度のプランクトンにも、その片鱗くらいは認められるような気がします。
投稿: おちゃたてむし | 2010年7月19日 (月) 21時52分
おおおお、キートケロスですか・・・・(゚0゚ )
プランクトン図鑑にも載っていました
きれいですね・・・プランクトンってなんか神秘的ですよね
投稿: ぺろぽんぱ | 2010年8月11日 (水) 15時30分
ぺろぽんぱさん、
こいつがゆっくりと漂っていくのを見るのが好きなので、採集物の中にこれを見つけると嬉しくなります。
写真ではその魅力が半分も伝えられませんが。
投稿: おちゃたてむし | 2010年8月12日 (木) 00時37分