コガネコバチ科の一種(Acroclisoides属)(改題)
カメムシの卵に集まるタマゴクロバチコバチの一種としてはこれまで何度か掲載しましたが、今回のはまた違う種と思われるものです。
サクラの葉の裏で、一匹がカメムシの卵の上に陣取り、もう一匹が周りをうろうろしています。
はじめメスの羽化を待つオスかとも考えたのですが、やがて産卵を始めました。
頭部の幅が広くて腹部が小さく、全体の形は以前こちらに出した種とよく似ていますが、前の種は翅にこのような黒い紋が無く、胸部の形にも違いが見られるのでやはり別種だと思います。
カメムシの卵の胴と蓋の継ぎ目を狙って産卵管を差し込んでいます。以前やはりカメムシ卵に産卵するのを見た別の種で、卵の底の部分を攻撃していたのと対照的です。種によって好みの部位があるのでしょう。
(2010年8月24日・神戸市須磨区 奥須磨公園)
* 12月9日追記と訂正 *
ezo-aphid さんに調べていただいた結果、この種はタマゴクロバチ科ではなく、コバチ上科のどこかに属するらしいということがわかりました。(7月6日の記事のコメント参照)
タイトルを「タマゴクロバチ科の一種」から「コバチの一種」に変更しました。
* 2011年1月6日・追記と訂正 *
Kurobachiさんからのご指摘で、このハチはコガネコバチ科の一種と判りました。タイトルを再度変更します。
* 2011年1月23日・追記*
その後この画像をご覧になった上條博士から次のようなコメントをいただきました。
「Acroclisoides の一種 雌(コガネコバチ科)です。カメムシの卵寄生蜂です。この属は日本に2,3種はいますが未記録です。」
ついに属名まで到達しました。ありがとうございました。タイトルを更に変更して属名を入れました。
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コメント
カメムシの卵寄生蜂にコガネコバチ科がいるとは! 初めて見ました.しかもハネにこんな模様を持ったコガネコバチも記憶にありません.トラップによる採集で何万個体も標本を作製し,種の多様性解明に正面から取り組んでいますが,寄主から得られた寄生蜂の種類がトラップ採集では滅多に採れないので,多様性の奥深さを改めて感じます.
投稿: Kurobachi | 2011年1月 6日 (木) 11時37分
Kurobachiさん、
私には科名の見当もつきませんでしたが、珍しい場面が撮れていたとすれば嬉しいことです。
実は最近、フッカーSさんのブログでも同じ科と思われる(翅の模様はありませんが)ハチがカメムシ卵に産卵している写真がで出ていたのですが、よかったら覗いてみてください。
http://tokyoinsects.blog14.fc2.com/blog-entry-914.html
丁寧に見ていただいてありがとうございました。
投稿: おちゃたてむし | 2011年1月 7日 (金) 00時34分