ナシグンバイ
サクラの葉の裏を探せばまずどこででも見つかるナシグンバイですが、以前から気になっていたことは卵をどこに産むのかということです。微小な若齢幼虫から成虫まで一枚の葉の裏で見ることが出来るのに、卵についてはそれらしいものを見たことがありません。ただ、普通この虫の排泄物とされている黒いタール状の物質の中に卵も含まれているのではないかと言う気がしていました。
画面右側に体長0.5から0.8mmくらいの、1齢か2齢と思われる幼虫が集まっています。そして左側のタール状の塊の中に、噴火口のような穴がぽつぽつ開いているのが見えます。
上の写真の一部をさらに拡大したものです。
噴火口のような穴は直径約0.1mm で、蓋のようなものが残っているものもあります。また、脱出に失敗して死んだ幼虫らしきものも2匹見えます。
どうやら卵は葉の組織に産みこまれて、その上をタール状の物質(成虫の排泄物?)で覆われているようです。噴火口状の穴は幼虫の孵化の後に残された卵殻の一部でしょう。
ひとまずこれでナシグンバイの卵の謎は解決したということにしておいて、以下はおまけです。
上に同じ。体中に生えた棘や触角には水滴のような、粘液の玉のようなものが並んでいてきれいです。捕食者や寄生者を遠ざける効果でもあるのでしょうか。
(5~6枚目のみ2010年7月27日/他は2010年8月11日・神戸市中央区)
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