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2010年9月25日 (土)

ナガコバチ科の一種(Anastatus sp.)(改題)

どんな虫の産んだものかはわかりませんが、クサギの葉の上に緑色の卵がいくつかくっついていました。

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シロオビタマゴバチの一種と思われる小型のハチがその卵の周りを歩き回っています。

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昆虫の卵に寄生して育つ寄生バチです。産卵の場面を期待してしばらく様子を見ていましたが、卵に乗ったり触角で触れたりはするものの産卵を始めようとはせず、やがて葉の裏に回ってしまいました。

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そっとめくってみるとハチは葉の裏でじっとしていました。
そんなことが必要なのかどうか知りませんが、寄主の卵が産卵に適した状態にまで成熟するのを待っているのではないかと思います。ただの推測ですが、もしも既に他のハチに寄生されていたりして産卵に適さないのであれば、次を探しにさっさと飛んでいってしまうだろうと思うからです。

体長3mmちょっとで、同じ場所で5月の末に撮ったものとよく似ています。しかしそれより体長は短く、全体にずんぐりしていて頭部の形も違うので、別種だと思います。

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狙われていた卵です。
右はすぐ隣の葉についていたものですが、殻の中ではすでに何かの寄生虫が育っているのではないかと思います。少なくとも正常に発育している卵ではないでしょう。このようなものがいくつか見られました。
どちらも直径約2mmです。

* 9月27日追記 *

YAMKENさんから、卵はスズメガのものだろうと教えていただきました。
クロメンガタスズメかも知れないとのことです。(コメント参照)

(2010年9月17日・明石公園)

* 2011.1.23 追記とタイトル変更 *

画像を見て下さった上條博士から次のようなコメントをいただきました。

「雌 シロオビタマゴバチ そのものです。学名は Mesocomys  albitarsis (Ashmead) (ナガコバチ科) 蛾類の卵寄生蜂」

やはり蛾の卵に寄生するんですね。タイトルを「シロオビタマゴバチの一種」から「シロオビタマゴバチ」に変更しました。

* 2011.2.10 追記とタイトル変更 *

このハチについて、上条さんから種名の訂正のご連絡をいただきました。ご自身で集められた標本と比較して詳しく検討された結果、シロオビタマゴバチではなく、同じナガコバチ科の Anastatus 属の一種と判明しました。この属はシロオビタマゴバチの属する Mesocomys 属と近縁で、やはり鱗翅目の卵に寄生し、日本には少なくとも数種はいるということです。
また、記事の中で言及した、5月末に撮ったものは、同じ Anastatus 属の別種だそうです。
タイトルを再度変更して、「ナガコバチ科の一種(Anastatus sp.)」としました。

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コメント

真夜中にこんばんはです。
卵は、スズメガ類のものだろうと思われます。
未だ確認したことはないのですが候補として「クロメンガタスズメ」があります。
場所は何処でしょうか?。
6年前に緑の相談所とトイレの間の道を少し登った辺りのクサギで少し遅い時期の12月に幼虫とであったことがあります。
今年は2週間ほど前に更に本丸の方に登った城石間のキリの幼木にいたのを見ましたし、9/22には登りきったところのキリにいたのにもあっています。(幼木の方にはオオミノガと思われる蓑がありました)
数年前には、同じ場所のクサギ葉上で同じ様な卵を見つけましたが孵化させることができず正体不明です。

投稿: YAMKEN | 2010年9月27日 (月) 02時52分

YANKENさん、おはようございます。
大きな卵だとは思いましたがスズメガですか。
私には全く見当がつきませんでした。ご教示ありがとうございます。
クロメンガタスズメは、まだ見たことがありません。
明石公園にもいるんですね。
卵を見つけた場所は天守台の南の石垣の下です。
写真の卵の他にも周りの葉に一個づつ産み付けられたのがいくつかありました。
しかしあの時の様子では全部タマゴバチにやられているかも知れません。

投稿: おちゃたてむし | 2010年9月27日 (月) 06時36分

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