シモフリスズメの幼虫
大きなイモムシがトウネズミモチの葉を食べていました。
枝が風で揺れるので片手でそっと押さえてましたが、それも気にせず夢中で食事を続けていました。
普通は、食事中の枝に少しでも手を触れるとこんなふうに固まってしまいます。
近くの枝にいた別個体です。
* 10月18日・追記と写真追加 *
1枚目の写真で、幼虫の体に見られる黒い斑点はハチかハエの寄生によるもので、おそらくはヤドリバエの幼虫が侵入した跡らしいと、「明石の蛾達」のYAMKENさんに教えていただきました。(コメント参照)
幼虫本来の斑紋にしては配置が不規則なのが少し気になってはいたのですが、寄生の跡とは気づきませんでした。
この日はこの個体のほかにほぼ同大のもの一匹(3枚目の写真の個体)、やや小さいもの一匹を見たのですが、あらためて写真を調べるとどちらにも同じような斑点がいくつもついていました。私が見た3匹すべてが寄生を受けていたということで、何とも厳しい世界です。幼虫を見かけるほどには成虫が見つからないのも当然ですね。
最後に、一枚目の写真の一部を拡大したものを出しておきます。
黒い斑点から何か白いものが出ているのが見えます。
寄生虫が残していった卵の殻か、脱皮殻ではないかと想像しているのですが、全く見当はずれかも知れません。
* 10月19日・再追記 *
この白いものは侵入した寄生虫が寄主体内で呼吸をするために出している呼吸器官の可能性があると、YAMKENさんから再度のご指摘をいただきました。
私の想像はやはり見当はずれだったようです。
(2010年10月2日・明石公園)
| 固定リンク
「鱗翅目」カテゴリの記事
- サザナミスズメ(2019.07.15)
- ヒロヘリアオイラガ?1齢幼虫(2019.07.07)
- クロスジキヒロズコガ(2019.06.29)
- ギンシャチホコ1齢幼虫(2019.06.27)
- シャチホコガ若齢幼虫(2019.06.26)
コメント
こんばんは!
3枚目の写真、モスラよりも迫力がありますね(^^)。
でも、こんなのに出会ったら速攻で後ずさりですかね(^^;。
虫撮りしてますが、大きなケムシと大きなイモムシは、やっぱり苦手です。
どうしてなんでしょうね?
投稿: そら | 2010年10月17日 (日) 21時54分
そらさん、おはようございます。
モスラとは懐かしいですね。
私はイモムシ・毛虫には抵抗はないのですが、クモはいまだに苦手です。
人それぞれに、何か理由があるんでしょうね。
投稿: おちゃたてむし | 2010年10月18日 (月) 07時10分
こんにちは。
1枚目は立派な幼虫君ですが無事に羽化するのは難しそうですね。
黒い点々は寄生蜂か宿り蠅の産卵痕か表面に生み付けられた卵が孵化し体内に入った侵入痕です。
おそらく宿り蠅の方ではないかと思われます。
彼らは小さい幼虫のままで気門近くに成りを潜めており、ホストの幼虫が蛹化のため土に潜り蛹室を作り始めると活発に活動を始めホストを殺し成長します。
>モスラ
うる覚えですが、幼虫はカイコ、成虫はヤママユがモデルだったと思います。
いずれにせよ敵を攻撃する能力は無いのに勝手に作られた攻撃力で迷惑そうです。
幼虫:糸の先を固定し体内から引っ張り出すことができても、糸を発射することはできません。
成虫:翅で超音波・・・あのゆったりした動きではとても。
翅の毒鱗粉・・・鱗粉が有毒性のものなんていない、成虫に毒を持つというのは
どうやってできるのか判らないが幼虫時の毒毛を体毛に付着させているぐらい。
モスラを信じると蛾が恐くなってしまいます。(正義の味方なのに・・・)
投稿: YAMKEN | 2010年10月18日 (月) 12時35分
YAMKENさん、こんばんは。
いつもありがとうございます。
黒い斑点は気になってはいたのですが、寄生を受けた跡だとは考えませんでした。
豊富な飼育の経験があってこそ、こんな写真からでもひと目でそれがわかるんでしょうね。
記事の追記に書いたように、この日トウネズミモチで見た3匹はすべてやられていたようです。怖い世界だとあらためて思います。
子供の頃は同世代の多くの子供と同様、東宝の怪獣映画に夢中になっていたもので、モスラの勇姿にはとても感銘を受けました。
当時ヤママユは見たことがなかったと思いますが、大きなシンジュサンがたまに玄関先に飛んできていて、映画のモスラにもより親しみが持てたのかも知れません。
ストーリーの現実性はともかく、まだ「昆虫少年」の多かった当時では案外自然な着想だったようにも思えます。
投稿: おちゃたてむし | 2010年10月18日 (月) 21時33分
追記および追加拡大写真ありがとうございます。
侵入痕がこのようになっているとは知りませんでした。
これを見て想像力が掻き立てられます。
気門付近に移動するのは侵入した幼虫も呼吸を要するためと聞いていますが、水中などの液中で育つミズアブなどの幼虫はお尻に長い管を持ちこれを液上に出して呼吸をするそうなので、この幼虫も気門まで移動せず侵入した場所に留まり呼吸器官を外に突き出しているのでは・・・と!。
私には、こんなところまで撮ることができないので、仮説ではありますが一つ知識が増えた思いです。
投稿: YAMKEN | 2010年10月19日 (火) 02時43分
YAMKENさん、おはようございます。
呼吸器官ですか。私には想像がつきませんでした。
蛾の幼虫というとどちらかと言えば面白みの少ない被写体だと思っていたのですが、このように色々観察すべき点があることを教えていただくと、俄然興味がわいてきます。
ありがとうございました。
投稿: おちゃたてむし | 2010年10月19日 (火) 06時35分
こんばんは♪
寄生バエはこんな風にとりつくんですね!!
すいとんの術? シュノーケル?
アオスジアゲハを飼っていて、どの幼虫もシミ一つない感じなんですが、それはまた別の形でとりつくんでしょうか?
不思議です・・・。
投稿: 夏子 | 2010年10月22日 (金) 22時49分
夏子さん、おはようございます。
寄生バエだとすれば、多分蛾の幼虫の体表に卵を産みつけるのでしょうが、一度その場面を見たいものです。
アオスジアゲハといえば以前、いくつかの気門の後ろに黒い影のある蛹を見たことがありますが、種によって寄生の方法も様々なんでしょうね。
投稿: おちゃたてむし | 2010年10月23日 (土) 06時53分