ハネオレバエ科の一種(Psila sp.)(タイトル変更)
植え込みのハランで見つけたハエです。ハネオレバエ科の一種だと思います。
同じ場所に何匹もいましたが、暖かい日にもかかわらず動きが鈍く、ちょっと葉を揺らしたくらいでは逃げません。
前翅の前縁に少し括れがありますが、これが科名の由来でしょうか。
体長4.2mmほどです。
(2010年11月30日・明石公園)
* 2011.1.16 追記とタイトル変更 *
昨年12月に同じ場所で採集した標本を帯広畜産大学の岩佐教授にお送りしたところ、Psila (Synaphopsila) nartshukae という種に似ているが別種らしいとのご返事をいただきました。とりあえずタイトルに属名を入れておきましたが、新たに何かわかればこの場で報告します。
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コメント
相変わらずの、ライティングの見事さに感心させられてます。
少しは近付きたいと思ってますが、どうもストロボとは相性があまり良くないみたいです。
投稿: そら | 2010年12月 3日 (金) 22時06分
そらさん、こんばんは。
お褒めにあずかって恐縮ですが、私のはライティングと言う程のこともない、簡単なデュフューザーを付けただけの横着な撮影です。
むしろ私にはそらさんの写真の自然光による柔らかなトーンが羨ましいのですが、三脚が面倒で持ち歩かないものですから、ほとんどストロボに頼ることになってしまいます。
投稿: おちゃたてむし | 2010年12月 3日 (金) 22時28分
種類を見分けるには、どうしても細部の形質がきちんと写った画像が必要なので、科学写真にストロボは必須です。抒情性が失われるのは残念かもしれませんが、宿命とあきらめて・・・・・。
このハエは、「淡路島の生き物・・・」でも、ほぼ同時期に撮られています。ちらっとみて、「ああ、この模様はキモグリバエ科。少し翅が長いけど・・・・」と軽く決めつけてました。ところが翅脈をよーく眺めてみると、キモグリよりもハネオレバエ科のPsilaの方に似ています。
オチャタテさんが、ハネオレバエ科とされた根拠はどういう形質なのでしょうか? ご教示いただけるとありがたく存じます。
投稿: ezo-aphid | 2010年12月 6日 (月) 00時05分
ezo-aphid さん、おはようございます。
私もキモグリバエ科で似たような模様の写真を見たことがあったので、最初その仲間かと思っていました。しかし保育社の「原色日本昆虫図鑑・下」にある検索表を調べると、翅脈がハネオレバエ科によく一致し、写真で判別できる限りでは剛毛の様子も似ているようです。その線でネットで検索してみると、色模様以外の点では良く似たものがいくつか出てきました。その程度の根拠ですが名無しで出すよりは、と思ってハネオレバエ科としました。
投稿: おちゃたてむし | 2010年12月 6日 (月) 07時08分
お知らせ有難うございます。早速、保育社の図鑑(昭和44年、第18刷)、北隆館の大図鑑3(新版)を借り出してきて検索表を探しましたが、意外にもどちらにも載っていませんでした(ガッカリ)。保育社の方は、たぶん改定版にのせているのでしょうね。
日本でただ一人の研究者、畜産大学の岩佐教授に、どの辺の種類なのかお尋ねのつもりでこれらの写真を紹介してみました。教授にも未知の種類のようで、これらの鮮明な写真と、ハネオレバエと見分けたことに驚いていました。できれば雌雄の標本を入手できないかと、尋ねられたのですが(たぶん新種?!)、このようなご迷惑をお願いできるでしょうか?
少し時期遅れで難しいと思いますが、勝手なお願いをお聞き届け戴けそうでしたら、勝手ながらメアドあてご連絡くださいませんか(ご無理でしたら、放置してください)。送付方法などをご相談したく存じます。
投稿: ezo-aphid | 2010年12月 6日 (月) 17時30分
ezo-aphid さん、こんばんは。
私の参照したのは、保育社の、昭和52年初版発行の改訂版です。
双翅目の科の検索表にそれぞれの翅脈図が付けられているので、私のような絵合わせ位しか能のない素人は助かります。と言っても実はそれを使って調べたのはこれが初めてです。
標本の件ですが、えらいことになったと正直慌てています。お役に立てることなら喜んでご協力させていただきたいのですが、まだ同じ場所で見つかるかどうか、多分今週中には現場に出かけられそうなので、採集の成否はそれからメールにてご連絡したいと思います。ただこのような昆虫を標本にするのは私には無理ですので、採集出来た場合にはとりあえず冷蔵庫に放り込んでおいてから保存法や送付方法のご教示を仰ぐということでいかがでしょうか。
投稿: おちゃたてむし | 2010年12月 6日 (月) 21時00分
早速のご快諾ありがとうございます。当惑もごもっともと存じます。お仕事の合間の貴重なお時間を割いて頂くのは心苦しいですが、よろしくお願いします。
ハエ類の分類・同定には、頭・胸・脚の剛毛の位置や本数(時には長さも?)が重要な形質なので、採集後、体をぶつけてこれらを破損させないことがとても重要です。台所用のビニール袋に採集して持ち帰り、損傷が少ないうちに手早く冷凍庫に入れると、2時間以上で魂が抜けてゆきます。その後、室内に30分ほど置いて解凍させた後、翅をつまんで数頭ずつを「少量のほぐした綿繊維が入った小さなチューブ」に入れれば、郵送可能になります(小型ピンセットがあると便利なのですが、百円ショップにあったかなぁ・・・・)。このような方法は、小さなコバチ類などにも有効のようです。なお、凍結個体は破損しやすいので、落としたりしないように注意してください(私の経験では見事に破損し、まったく使用不能になりました)。受け取った方では、実態顕微鏡下で見ながら、繊維を体から慎重に外すことになります。 送付用のチューブなどは、あらかじめ当方から送りますので、ご連絡ください。
投稿: ezo-aphid | 2010年12月 6日 (月) 21時55分
淡路島のuni2です。
これと同じと思われるハエを2008年11月11日に撮っていました。
以前、ハナアブの市毛さんに教えてもらったキモグリバエに雰囲気がとても似ていたので、安易に「キモグリバエ?」と思っていました。翅まで見ていませんでした。おちゃたてむしさんの写真と観察姿勢を、今からの目標にします!
投稿: uni2 | 2010年12月 7日 (火) 00時41分
ezo-aphid さん、
詳細なご教示ありがとうございます。
追ってメールにて連絡させていただきます。
投稿: おちゃたてむし | 2010年12月 7日 (火) 06時24分
uni2さん、おはようございます。
写真を拝見しましたが、確かに同種ですね。
今回のは全くのまぐれ当たりで、実際には身の回りの普通のハエの見分けさえつかないというのが正直なところです。
これからも「淡路島の生き物たち」で大いに勉強させていただきます。
投稿: おちゃたてむし | 2010年12月 7日 (火) 06時32分