ホシアメバチ属の一種(Enicospilus concentralis Cushman )のメス(タイトル変更)
カクレミノの葉裏にいました。アメバチの一種だと思います。
この特異な姿勢に見覚えがあったので古い写真を調べてみると、同じ公園で5年前の11月に一度撮影しています。その時は死んだハチが葉にくっついているのかと思いました。
先の太い腹部は結構重そうに見えますが、重力に逆らってこんな姿勢をとり続けることに何か意味があるんでしょうか。腹部の先端に覗いているのが産卵管のように見えますが、違うかもしれません。
5年前に見たときもやはりカクレミノの葉裏でした。何か関係があるようにも思えますが、ただ雨風を凌ぐための広くて丈夫な葉を選んでいるだけかも知れません。
(2010年12月2日・明石公園)
* 12月13日追記 *
私にはアメバチの一種というくらいしかわからないのですが、前翅の中央付近の釣り針型の紋の形から属レベルまでは推測できそうだということです。(ezo-aphid さんのコメント参照)そこで参考に最後の写真からトリミングした画像を追加しておきます。
* 12月15日追記 *
ezo-aphid さんのご尽力の結果、このハチはホシアメバチ属の一種 Enicospilus concentralis Cushman のメスであることがわかりました。詳しくは ezo-aphid さんからのコメントをご覧ください。タイトルを「アメバチの一種?」から表記のように変更しました。
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コメント
おはようございま~す。
前翅の中央やや前縁よりに、円く反射してるところ(無毛!)に、釣り針型の黒紋がありますね。どうやらこの形で所属の検討がつくようです。大図鑑にあるシコクホシアメバチに近いようなので、「ホシアメバチ属 Enicospilus」をキーワードに検索してみました。似たような種類が多くありますので、ホシアメバチ属の一種としてよさそうです。この属は、ヤガ類幼虫に寄生するらしく、日本産ヒメバチ目録には30種以上います。
雌?の逆立ちの意味はわかりません(恋人募集中?かな)。
投稿: ezo-aphid | 2010年12月12日 (日) 12時15分
ezo-aphid さん、おはようございます。
「日本産ヒメバチ目録」には私も目を通したのですが、ご指摘の翅脈の特徴はホシアメバチ属の他にDicamptus属の一種にもよく似ているように思いました。写真を見る限り二つの属を区別する特徴がつかめないので、とりあえず名無しで出しました。
ホシアメバチ属の方が種数もはるかに多く、確率が高いとは思うのですが。
投稿: おちゃたてむし | 2010年12月13日 (月) 07時02分
あ、ご覧になってましたか。よくできた便利な目録ですよね。
そそっかしい私の場合、これは「関西在住のDicamptus2種に黒紋は似ていない」と判断し、この属は除外しました。両者の違いは口器(大あご)のようですが、よく判りません。そこで、図が提示されていない大きなグループの方に属する、と決めつけました。いつものように、「プロの注意をひいて訂正してもらおう」という羊頭狗肉の看板ですね。「釣り針黒紋」の線の中央内側に、細い短線があるようにも見えますので、ここの拡大図があるといいのですが。
目録の中の参考文献のうち、Uchida(1928)の大著の最後に図版があり、第VI図雌雄28種(うち側面図11種)のうち、唯一「9」が雄の側面です。これから見ると、今回の画像は雄のように思います。すると、フェロモン?で雌を呼んでる形??
投稿: ezo-aphid | 2010年12月13日 (月) 10時41分
ezo-aphid さん、
属のレベルまでたどり着くのも簡単ではないんですね。
写真を拡大してみれば、おっしゃるように「釣り針型黒紋」の内側に短い線が見えますので、拡大画像を出しておきました。
ご参考になればいいのですが。
投稿: おちゃたてむし | 2010年12月13日 (月) 18時11分
報告が遅くなりました。これらの画像について「日本産ヒメバチ目録」の管理人(小西さん)に伺ったところ、Enicospilus concentralis Cushman (和名なし)の雌!とのお返事でした。台湾から記載され、広島・愛媛、九州で秋に採れた記録があります。「蜂がすき」のサイトに、やはり葉裏で脚を広げた姿勢のミノオキイロヒラタヒメバチの集団越冬の画像があるそうです。ホシアメバチ属の一種(雌)という表示がいいでしょうね。
投稿: ezo-aphid | 2010年12月15日 (水) 11時07分
ezo-aphid さん、こんばんは。
こんな写真からそこまで調べていただいてありがとうございます。
自分で撮った虫の名前が判明するのは嬉しいことですね。早速、タイトルを変更しました。
ミノオキイロヒラタヒメバチは、単独で葉裏にとまっているのを一度撮影したことがありますが、やはり脚と翅を拡げていました。種によってとまる姿勢にも違う好みがあるんでしょが、実際的な違いもあるんでしょうか。
投稿: おちゃたてむし | 2010年12月15日 (水) 21時05分