ナシミドリオオアブラムシの産卵
シャリンバイの葉裏で卵を産むナシミドリオオアブラムシです。
葉を裏返せば成虫もそれらの産んだ卵もいくらでも見つかるのですが、散々探した末産卵中のものはこの1匹だけでした。
産みたての卵は半透明できれいですが、時間が経つと不透明になるようです。
続けて卵が出てくるのを待っていると、お尻を左右に振りながら上下させるような動作を始めました。よく見ると腹端から透明な粘液を出して葉面に塗りつけているようです。
何のためなのかはわかりませんが、卵の周りが常に濡れたように光っているのはこの粘液によるものだったんですね。この行動が長時間続くので、しばらく離れていた後再び見に来ると、母虫はこれ以上の産卵はせずに移動したようです。
春になってこれらの卵が孵化する模様はこちらに、また胎生虫が幼虫を出産する様子はこちらに出しています。
(2010年12月22日・明石公園)
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コメント
ふぅーん、明石では年末に産卵するのですか・・・。
エゾ地では有性世代を見たことがありません。いったいどの木で冬越ししてるのか不明です。でも盛夏には、いつのまにかアズキナシ(Sorbus属)の葉一面に黒スス症状が。角状管(お尻の突起)から尾片までが、卵生雌では胎生雌よりもずっと長いのですね。雄はやっぱり有翅雌に似てるのかなぁ。
投稿: ezo-aphid | 2010年12月30日 (木) 15時57分
ezo-aphid さん、こんばんは。
やっぱり気候が違うんですね。
こちらの方では公園や街中のシャリンバイでごく普通ですが、夏場に2次寄主についているのは私はまだ見たことがありません。
胎生雌と体型が違うということには気がつきませんでしたが、同時に撮った他の個体はもっと太っていて、胎生雌とあまり違わないようです。
この時有翅虫も多く見ましたが、雄がいたのかどうかわかりませんでした。
投稿: おちゃたてむし | 2010年12月30日 (木) 23時10分
こんばんは!
こちらでも、先週の土曜日に見つけましたが、ほんの少しだけでなので葉の裏を覗いても見つけるのが大変です。
既に産卵していたので、目印を付けておいたのですが、昨日確認してみたら親と共に見当たらなくなってました。
来年は、欲を出して孵化シーンを狙ってみようかと思ったのですが、前途多難のようです(^^;。
投稿: そら | 2010年12月30日 (木) 23時33分
そらさん、こんばんは。
この写真を撮った場所では、適当に葉を裏返すと見つかるくらい沢山いました。
でも私の目ではそこにいるのは見えていても、虫が何をしているのかはいちいちルーペを覗かないことには全くわかりません。
親がいなくなるのはわかりますが、卵が消えるということはこれを食べる奴がいるんでしょうか。
投稿: おちゃたてむし | 2010年12月30日 (木) 23時54分
こんばんは♪
産みたてはこんなに透明感があるんですね。
シャリンバイを最近探してみましたが、見つかりません。(春にはいましたから、探し不足?)
そらさんがご覧になったのはどこの葉裏なのかわかりませんが、
そらさんの行きつけの場所にあるシャリンバイはいつもメジロが茂みの中に潜り込んで何かしていました。
こんなのを食べていたのかもしれませんね。
いつも美しい写真と不思議な生態を楽しませていただきました。
ポイントをついたコメントもありがとうございます。
来年もどうぞよろしくお願いいたします(^o^)
投稿: 夏子 | 2010年12月31日 (金) 23時34分
夏子さん、あけましておめでとうございます。
このあたりでは最普通種のアブラムシですが、ちょくちょく覗いていると色々な場面が見られて、冬枯れの季節には有難い虫だと思います。
冬に産みつけられるせいかこの卵を他の昆虫が食べているのはまだ見たことがありませんが、小鳥が食べると言うことは考えたことがありませんでした。言われてみれば、確かにありそうなことですね。
いつも暖かいコメントをいただいて、大変励みになっています。
今年もよろしくお願いいたします。
投稿: おちゃたてむし | 2011年1月 3日 (月) 17時49分