ナシミドリオオアブラムシの卵とユスリカの一種(改題)
正月の食べ過ぎの解消にと、散歩に出た近所の緑地でシャリンバイの葉裏を覗いて見た光景です。
葉裏でごく普通に見かける体長2mm足らずの、多分カの一種のメスだと思います。普段は寒い日でも葉に触れるとすぐに飛んで行ってしまうのが逃げないので、死んでいるのかと思ってルーペを出して確認すると、生きてはいるのですがナシミドリオオアブラムシの卵に脚をとられて逃げられなくなっていました。
このアブラムシの産卵風景は昨年末に出しましたが、その時母虫が、産みつけた卵の周りに尾端から出した粘液を付着させているのを見ました。このカ(?)はそれに脚をくっつけてしまったようです。
このべたつく粘液はなんのためかと思っていたのですが、こんなふうにして寄生バチやハエなどの攻撃を防ぐ効果があるのかも知れません。ただしこんな光景を見たのはこれが初めてです。
(2011年1月3日・神戸市垂水区)
このブログも今日から2年目に入ります。季節が一巡りして同じものの繰り返しが多くなりそうですし、更新のペースも落ちそうですが、長い目で見てやっていただければ幸いです。
* 2月9日・写真追加 *
この種名不詳のカ(ハエ?)についてezo-aphid さんが調べて下さっています。何か参考になる画像がないか探してみると、3年前に撮った同種の雌雄と見られる写真が出てたので下に追加しておきます。
上のオスと思われる個体が体長約1.9mm、下のメスらしき方が約1.4mmです。ともに同じアオキの葉裏にいました。出来の悪い画像ですがこれで参考になるでしょうか。
(2008年1月22日・神戸市垂水区 学が丘北公園)
* 2月9日・追記とタイトル変更 *
追加した画像が役に立ったそうで、ezo-aphid さんからこれはユスリカ科の一種であるとのコメントをいただきました。私はユスリカというともっと大きいものを(ごく漠然と)想像していました。タイトルを「・・・とカの一種?」から「・・・とユスリカの一種」に変更しました。
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コメント
二年目突入、おめでとうございます。
冬場は、獲物が少ないので一巡してしまうと、ふと考えてしまいますが、同じ虫が撮れていると言うことは環境が維持されていると言うことなので、喜ばしいことなのでしょうね(^^)。
同じように葉の裏を探索していて、多分目の付け所が違うのだと思いますが、何んか撮れる内容が違う気がします。
なので、とても楽しみにしてますから、これからも色々お願いします(^^)。
投稿: そら | 2011年1月12日 (水) 12時36分
うーん、何なんでしょうね、これ。
この翅脈には、・・・・あたる科を見つけられません。触角がもっと長ければ、むりやりクロキノコバエ科に入れてみたいのですが。
投稿: ezo-aphid | 2011年1月12日 (水) 19時09分
そらさん、こんばんは。
この年になると一年は早いですね。
ほとんど年中、街中の公園というあまり豊かでない資源に頼っているので、同じ種でも生活史のいろいろな場面を捉えることを目指したいのですが、なかなかめぐり会えません。
気長にお付き合い願えればと思っています。
投稿: おちゃたてむし | 2011年1月12日 (水) 22時00分
ezo-aphidさん、
私も図鑑で翅脈の検索表をあたってみたのですが、わかりませんでした。
ezo-aphidさんでも見つけられないくらいならそれも当然です。
写真では光の具合によって翅脈の判別がつきにくいということもあるかも知れません。
このカ(?)は、櫛状の触角を持ったオスらしきものと共に極めて普通に見られます。
何なんでしょうね。
投稿: おちゃたてむし | 2011年1月12日 (水) 22時44分
なかなか似たものを見つけられません。ただ一つ、似てると思うのはMNDのSciaridaeクロ(バネ)キノコバエ科、251p. 12・13図の胸部側面図です。
さしあたりは、(大胆にも!?)翅脈は無視して「触角を引きちぎられたクロキノコバエ雌」と思うことにします。 雄の画像をいつの日にか・・・。
投稿: ezo-aphid | 2011年2月 8日 (火) 15時56分
ezo-aphid さん、
このハエはおそらく冬場に葉裏で非常によく見るものと同じ種だと思うのですが、コバチ類と違って寒い時でもわずかな刺激で飛んで逃げてしまうのと、あまりにも普通なので、ほとんど撮影したことがありません。この次の機会にはちょっと粘ってみたいと思います。
投稿: おちゃたてむし | 2011年2月 8日 (火) 20時21分
ezo-aphid さん、
撮影したのを憶えていなかったのですが、古い写真を探すと同種と思しき雌雄が出てきました。写りが悪くてしかも雌雄1枚づつしかないのですが、こんなもので参考になるでしょうか。
投稿: おちゃたてむし | 2011年2月 9日 (水) 14時16分
追加の画像をありがとうございます。おかげさまで、判っちゃいました! ユスリカ科です。
雄は(触角に眼がいきやすいためでしょうか)、一見してユスリカです。その前提で翅脈がどうかというと、脈が淡くタタミじわと区別しにくいので、とても読みにくいのですが、MND の 428p. fig.14 Smittia sp.あたりと違和感がすくないです。同様に、2匹の雌の翅脈を読みなおすと、大違いではなさそうです。側面図も、ユスリカ科として違和感はありません。
実は、いちど、「日本のユスリカ」という本を見たのですが・・・・・。先入観があったのでしょうね、違うと思ってしまいました(また間違えないかと言うと、自信はありません)。
この種は、エリユスリカ亜科あたりが怪しいと思うのですが、これ以上は「日本のユスリカ」を使わないと無理ですね。環境調査会社には、この群に強い人が多いようです。
投稿: ezo-aphid | 2011年2月 9日 (水) 16時17分
ezo-aphid さん、
ユスリカでしたか。ありがとうございました。
ユスリカというのはもっと大きいものばかりと、なんとなく考えていました。
初めて知りましたが翅にはタタミじわというのもあるんですか。そうなると一番上の写真のように下手に反射の出た写真から翅脈を判別するのは更に難しくなりますね。
あまりに普通でいつでも撮れると思っていた種の写真が、いざ必要になるとほとんどありません。馬鹿にせずこまめに撮っておかないといけないと痛感しました。
投稿: おちゃたてむし | 2011年2月 9日 (水) 20時35分
すみません、おちゃたてさん。「タタミジワ」なぞ、私の勝手な造語です。
翅脈間の谷間にスジが見えるのを、そう呼びました。翅を畳むわけでもないので、有るわけないのですが(それでしか説明できそうにないので、・・・・・・お目こぼしを)。
投稿: ezo-aphid | 2011年2月 9日 (水) 20時55分
ezo-aphidさん、
造語でも大変わかり易くて実用的な造語だと思います。
確かに光の角度によってはそんなちょっとした皺か襞のようなものが翅脈以上にはっきり見えてしまいますね。判別困難な時のためにいろんな角度から撮っておくのが一番だろうと思いますが、なかなか出来ません。
投稿: おちゃたてむし | 2011年2月 9日 (水) 21時06分