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2011年2月19日 (土)

ツヤアカヒメヒラタカメムシ Paraneurus similis (Liu, 1981)(改題)

* 2014.02.16・追記と改題 *

写真の種は種名不詳のままヒメヒラタカメムシの一種(Aneurus sp.)としていましたが、このたびカメムシBBSの管理人のかりしうすさんよりツヤアカヒメヒラタカメムシ Paraneurus similis (Liu, 1981)であろうとご教示をいただきました。これはフッカーSさんのコメントにある Aneurus (Aneurodes) similis で、最近になって Paraneurus属に移されたようです。タイトルを変更して種名を入れました。

初めて見る小型のヒラタカメムシです。

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前回の記事と同じ裏六甲のハイキング道わきで、積み上げられた伐採木の樹皮下で見つけました。

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扁平な体で、型押しした革製品のような質感があります。体長5mm弱です。

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撮影していると、成虫の体の下から幼虫が這い出てきました。写真の大きい方で体長2mmほどです。
ネットで「ヒメヒラタカメムシ」と検索して出てくる画像には複数の種が混在しているようですが、その中には一致するものが見つかりません。「British Bugs」というサイトにある Aneurus laevis という種が一番似ているように見えますが、多分日本にはいない種でしょうし、小楯板の形が少し違います。結局種名はわかりませんが Aneurus属までは間違いないと思います。

(2011年2月7日・神戸市北区 有馬町)

* 4月6日・写真追加 *

ヒメヒラタカメムシ類の判別点についてezo-aphidさんから参考記事を紹介していただき、2枚目の画像の中央2匹がオスで、左上にお尻の先だけピンボケで写っているのがメスらしいことがわかりました(コメント参照)。同じ時に撮ったメスと思われる個体の全身像があったので下に追加しておきます。

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半翅目」カテゴリの記事

コメント

こんばんわ。
私もヒメヒラタカメムシの仲間=Aneurus属の一種に賛成です。
ネットで「ヒメヒラタカメムシ」と検索して出てくる画像で、上の画像と一致しないのは、種どころか亜科からして混同してるものが多いからと感じます。よく見ると、小楯板の形状や触角の各節の長さが決定的に違っています。例えば「虫ナビ」さんのところでヒメヒラタカメムシと紹介されているのは、先端の触角が最も短くて小楯板が三角なので、たぶんオオヒラタカメムシ亜科だと思います。触角の先端の節が短くて丸っこくて、ゴツゴツした感じのはほとんどオオヒラタ類なんじゃないでしょうか。その辺は研究があまり進んでいないらしく、学名が無いのも多いようです。

問題の上の画像の個体こそ、真のヒメヒラタカメムシか、その近縁種なんじゃないでしょうか?カメムシBBSにあった画像と小楯板、触角、頭部の形状などが一致するものがありましたが・・・・・体色やお尻の丸い突起だけがじゃっかん異なってますが、この辺は変異や生殖時期などの差かもしれませんね。幼虫の外見が異なるのは、たぶん間違いなく齢が違うのだと思います。

参考>http://flatbugs.org/kamebbs/bbs.cgi?list=pickup&num=6264

投稿: フッカーS | 2011年2月19日 (土) 19時29分

こんな報告文(1986)も見つけました。
交尾器が収納出来る云々と、Aneurus属は国内からは3種が記録されているがかなりの数の未記録種が居る模様・・・・とのことです。

http://ci.nii.ac.jp/naid/110001083468

投稿: フッカーS | 2011年2月19日 (土) 19時36分

連続投稿スミマセン。

Aneurus (Aneurodes) similisの画像もお知らせしておきます。この画像が翅が短い「短翅型」と思います。

http://bird-muromi.sakura.ne.jp/mushi/kamemush/kamemushi02.html

投稿: フッカーS | 2011年2月19日 (土) 19時39分

連続投稿スミマセン。次々に見つかるもので・・・これでしばらく静観します(スイマセン)。

ニッポンヒメヒラタカメムシ(Aneurus nipponicus)の画像です。お尻がそっくり。

http://flatbugs.blog76.fc2.com/blog-entry-234.html

投稿: フッカーS | 2011年2月19日 (土) 19時45分

フッカーSさん、こんばんは。
ご賛同ありがとうございます。
カメムシBBSのヒメヒラタカメムシの画像はよく似ているとは思ったのですが、いくつかの違いが気になっていました。前胸背側縁の形とか、触角の付け根の外側の突出部とか、また上の画像に見られる小楯板中央の隆起が見えないことなどです。体長も、北隆館の大図鑑によれば5.5~6.5mmとやや大きいことも気になります。同じく北隆館に同属のシナヒメヒラタカメムシ(A.sinensis)というのも出ていて、体長や前胸背の形などこちらの方が近いようにも思うのですが、未記載種が多いのなら消去法で決めるわけにもいきませんね。
とりあえず属までは確からしいということで満足しています。

投稿: おちゃたてむし | 2011年2月19日 (土) 20時24分

フッカーSさん、
あちこち調べるのに時間を食って、コメントが行き違いになってしまいました。
やはり外部形態での識別は難しいんですね。
Aneurus (Aneurodes) similisの画像はかなり近いと思いましたが、もう少し細部が見たいですね。ニッポンヒメヒラタカメムシの方は触角各節の長さの比が違うので別種だと思います。
たくさんの情報をありがとうございました。

投稿: おちゃたてむし | 2011年2月19日 (土) 20時46分

こんな平べったいカメムシがいるんですね。
写真を見た瞬間、マダニだっっと思ってしまいました。

投稿: むいむいのお時間 | 2011年2月19日 (土) 23時56分

むいむいのお時間さん、おはようございます。
ほんとに平べったいですね。
年中樹皮の下で暮らしているからでしょう。
マダニは連想しませんでしたが、広いお腹の先の方に短い脚がかたまっているあたり、言われてみれば似ていますね。

投稿: おちゃたてむし | 2011年2月20日 (日) 06時50分

むしかえしで恐縮です。 当面の判別点と、分類の現状について図と検索表付きで説明されていますのでご紹介。気門ってどれ?というのが、素人にとって鬼門のようです。この図は雄のようなので、おちゃたてさんの2枚目画像の左上は雌、中央2頭は雄ということでしょうね。
http://flatbugs.org/kamebbs/bbs.cgi?list=pickup&num=3918#3918
今日、採集したAneurusを標本にしようと、冷凍庫に2時間ほど入れたのですが、平気でした(ツオイ!)。

この平たい体に内蔵はすべてそろっているとのことです。たしか、菌糸食のはずで、触角間の頭の出っ張りには長い口針を丸めて納めているのが図示されてます。ムシってすごいですねー、クロバチ類の産卵管鞘を連想します。
http://flatbugs.org/kamebbs/bbs.cgi?list=pickup&num=5948#5948

投稿: ezo-aphid | 2011年4月 6日 (水) 19時12分

ezo-aphidさん、こんばんは。
お調べいただいて有難うございます。
ご紹介の二つの記事を拝見しました。まず、気門がどんな風に見えるのかよくわかりませんが、画像を拡大してみても腹部第5,6,7節の体側縁上には他の節と違った構造は背面からは認められないようです。「体全体のツヤ」については私の撮ったものが「ツヤあり」になるのか「ツヤなし」になるのか、比較対象がないとはっきりしませんね。
「口針」の説明には驚きました。顔の前に突き出している鼻のような突起の中に体長の何倍もあるストローが収まっているんでしょうか。
2枚目の写真の2匹はオスらしいとのこと、実はこれまで腹端の形に2種類あることに気がついていませんでした。同じときに撮ったものの中からメスらしき個体の写真を追加しておきます。

投稿: おちゃたてむし | 2011年4月 6日 (水) 20時41分

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