クヌギカメムシの孵化
季節外れの暖かさが数日続いたと思うと、クヌギカメムシの孵化が始まっていました。
昨年12月に産卵を見た、その同じアベマキです。やはり日当たりの良い東に面した場所から孵化が始まるようで、西側の卵塊はまだでした。孵化する幼虫は、卵塊をおおったゼリー状の物質の中からゆっくりせり上がるように姿を現します。体のわりに太い口吻が象の鼻を思わせます。
同じ幹にあったこちらの卵塊ではすでにほとんど孵化を終えていました。幼虫時代の最初の食料であるゼリー状物質に、口吻を突き刺して吸収しています。
偶然ですが、ちょうど1年前の同じ日に同じ木の幹でこの孵化の様子を撮影していました。(こちらの記事です。)やはりこの日あたりから急に気温が上がったと記録しています。その時は一部の幼虫はすでに最初の脱皮を済ませていましたが、今回はまだ見られませんでした。
ところで、これらの写真を撮ったのは幹の直径40cmばかりのアベマキで、他にも多くの卵塊が見られたのですが、ほんの1メートルちょっと離れて立っているほぼ同じ大きさのアベマキには去年も今年も一つの卵塊も見つかりませんでした。2本の木は双子のように一見なんの変わりも無く見えるのですが、不思議なものです。
(2011年2月22日・明石公園)
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コメント
こんばんわ。
相変わらず、素晴らしい画像の数々・・・・溜息ものの世界ですね。
よく見ると、卵の周囲にうどんげのような白いのが沢山はえているように見えますが、それって菌類か何かでしょうか。卵から生えてる見えますね。カメムシの卵だけに生える菌類だったら面白いなぁ。
投稿: フッカーS | 2011年2月25日 (金) 19時45分
こんばんは、
いや~、相変わらず良く観察されてますね、偶然ではないところが凄いです!ここにも成虫はいるので、良く探せば卵塊も見つかるのかも知れませんが、なかなか目にできないものが沢山あります。
当面の目標は、フユシャクの♀とコミミズクの幼虫ですかね(^^)。
投稿: そら | 2011年2月25日 (金) 22時03分
フッカーSさん、こんばんは。
この白い突起はそれぞれの卵から生えているもののようで、この写真ではよく見えませんが卵一つにつき3本づつ出ています。
ちょっとあやふやな記憶ですが、卵が呼吸するための管であるというような説明を何かで読んだ覚えがあります。おそらく卵を覆うゼリー状の物質が空気を通しにくいせいではないでしょうか。
投稿: おちゃたてむし | 2011年2月25日 (金) 22時08分
なるほど、調べてみたら「受精孔突起」という呼吸管と分かりました。よく見たら私の撮った写真にも写ってましたが、おちゃたてむしさんほど大きくて鮮明な画像ではないので、今まで気付きませんでした(笑)。
投稿: フッカーS | 2011年2月26日 (土) 00時09分
そらさん、おはようございます。
卵塊は目立たなくて見つけにくいので、晩秋に成虫が産卵に集まっているのを探すのが近道だと思います。
フユシャク♀もコミミズクの幼虫も、この冬は私も1匹も見ていません。いるところにはいるんでしょうね。
投稿: おちゃたてむし | 2011年2月26日 (土) 07時02分
フッカーSさん、おはようございます。
「受精孔突起」と言うんですか。ありがとうございます、一つ勉強しました。
うろ覚えが間違いでなくて良かったです。
投稿: おちゃたてむし | 2011年2月26日 (土) 07時19分