ハラビロクロバチ科の一種(?Allotropa sp.)
ケヤキの樹皮の下にいた小さなアザミウマを追いかけていると、ファインダーの視野の中にさらに小さなハチが入ってきました。
体長約0.6~7mm、ゆっくり歩いていますが、一度見失うとルーペを使ってもなかなか探し出せません。大幅にトリミングしているのでかなり不鮮明です。
大きさと形からクロバチ類の一種ではないかと思ったのですが、ほとんど当てずっぽうです。
(2011年2月1日・神戸市垂水区 奥須磨公園)
* 2月16日・追記とタイトル変更 *
kurobachiさんから、恐らくこのハチはハラビロクロバチ科のAllotropa属であろうとのご教示をいただきました。(コメント参照)タイトルを「クロバチの一種?」から表記のように変更しました。
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コメント
おはようございます。 思いっきりシンプルなコバチですねー、ある意味、感動します。
触角と脚が節付近で膨らんでいるのが眼につきます。土壌中など暗い所に生息しているような印象をを持っちゃいますね。所属はさっぱり判らないので、kurobachiさん来てくれないかなぁ。
投稿: ezo-aphid | 2011年2月15日 (火) 08時18分
ezo-aphid さん、こんばんは。
シンプルと言うか、小さ過ぎて細部が解像出来ないのでそう見えるのかも知れません。
科くらいはわかればいいんですが、この画像では難しいでしょうね。
投稿: おちゃたてむし | 2011年2月15日 (火) 19時51分
素晴らしい! 1本だけの翅脈の長さと形を確認できないので,確実ではありませんが,ハラビロクロバチ科のAllotropa属でしょう.この属はコナカイガラムシ類の寄生蜂です.これはメスで触角の先端の棍棒状部が明瞭です.オスの触角は先端が棍棒状にならず,全体に非常に長い毛をまばらに生じます.
投稿: kurobachi | 2011年2月16日 (水) 13時23分
kurobachiさん、有難うございます !!
日本ではコナカイガラムシ類の生物的防除に古くから試されている周知の属なのですね。Allotropa属の新種記載した論文の写真を見ると、触角の雌雄差と、この属の構造がとてもシンプルだということが判ります。
http://www.fcla.edu/FlaEnt/fe87p600.pdf
日本で記録のある5種のうち、4種も北米と共通というのはなんとも奇妙な分布ですね。残る1種は、Koebeleさんが明治時代に大量に採集したものを、全てAshmeadさんが1904年ころに記載したうちの一つ。かなり有能な天敵ハンターだったようです。
投稿: ezo-aphid | 2011年2月16日 (水) 17時26分
kurobachiさん、
これもハラビロクロバチ科なんですか。
以前教えていただいたSynopeas属と頭や触角の形がなんとなく似ているとは思っていたのですが・・・。「一本だけの翅脈」が見えるかと期待して他のカットも拡大して調べてみたのですが、解像力の限界のようで、どれも同じようなものでした。
それにしてもこんな画像で属の見当までつけていただけるとは思いませんでした。ありがとうございました。
投稿: おちゃたてむし | 2011年2月16日 (水) 22時21分
ezo-aphidさん、こんばんは。
シンプルに見えるのは細部が解像出来ていないせいばかりではなかったんですね。コナカイガラムシ類の天敵とのこと、その産卵のようすを是非見たいものですが、この大きさでは活動期に発見するのは難しそうです。
投稿: おちゃたてむし | 2011年2月16日 (水) 22時35分