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2011年2月 4日 (金)

ヒメコバチ科の一種(Sympiesis ?derogatae)

これとよく似たコバチを1月20日の記事に出して、上條博士から Sympiesis derogatae のメスではないかとのご教示をいただいています。これは同じ場所で見つけたもので、同種のオスではないかと思います。

_dsc9910
ツバキの葉裏にいたものですが、前の記事のメスと比べて腹部がやや細く、黄色部が狭いようです。

_dsc9903
懐中電灯の光で目が覚めたのか、脚をしごきはじめました。
横から見ると前の記事の個体より腹部がはるかに薄いことがわかります。細かいところでは中・後基節の基部の色の濃い部分がこちらの方が大きいようです。
同じ場所でよく似ていて少し違うという、それだけの根拠で前のがメスならこれが同種のオスだろうと考えたのですが、いかがなものでしょう。

(2011年1月26日・神戸市垂水区 学が丘北公園)

* 2月4日・追記とタイトル変更 *

ezo-aphid さんから、前の記事のSympiesis属は触角の形が基本的には雌雄で 異なることを知らせていただきました。教えていただいた資料の図を見ると、オスの触角は各節から長い側枝が伸びて鹿の角のように見えます。
つまり今回の個体は1月20日の記事のSympiesis ?derogatae のオスではなく、別種ということになるようです。タイトルから種名をはずして「ヒメコバチ科の一種」に変更します。

* 2月5日・追記とタイトル変更 *

上條博士から ezo-aphid さんを通じていただいたコメントでは、前の記事のSympiesis ?derogatae と同種か否かは写真からは判断できないとのことでした。腹部の大きさその他の違いは同種内の個体変異の可能性もあるということでしょう。これらが同種であるとすれば、それなりに興味深いことだと思います。(コメント参照)ということで、一度はずした種名をタイトルに復活させました。

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膜翅目」カテゴリの記事

コメント

ホントによく似てますね。中胸の前部分(前胸との境界付近)に細粒がなく、滑らかに見えるのも相違点でしょうか。大きな違いは見えにくい部分(翅に隠れた腰部)にあるのかもしれません。
Sympiesisの雌雄による触角の違いが載ってましたのでご紹介します。左は典型的な雌雄、右は例外的な雌雄とのことで、この属の触角は雌雄異型が基本のようです。

http://www.faculty.ucr.edu/~heraty/Eulophidae/Sympiesis_page.html

投稿: ezo-aphid | 2011年2月 4日 (金) 13時32分

ezo-aphid さん、
こんなに似ていて見つけた場所も同じなので、てっきり同種の雌雄だと思いましたが、違っていましたか。
確かに、触角が雌雄でほとんど同じに見えるのはおかしいと言う気はしていました。
ご紹介いただいた図にあるような鹿の角状の触角をオスが持っているのは、ヒメコバチ科には多いんですね。
少し大胆になって出したタイトルですが、種名は引っ込めておきます。
ありがとうございました。

投稿: おちゃたてむし | 2011年2月 4日 (金) 20時23分

こんばんわ、上條先生のコメントをお知らせします。
 ここに載ってるヒメコバチについて、「S. ?derogatae 画像は先日のものと同種か別種かは判断できません。なお、ヒメコバチ科で雄の触角が枝分かれしているのは Sympiesis とそれに近縁な属で見られるだけです。」とのことです。シロウト連がみつける形の違いは、個体変異に含まれる事がある(多い?)ということですかね。表題は元にもどって「S. ?derogatae 雌」となるのでしょう。
 ところで、アーチャーンさんのご紹介で、川崎市の「裏庭観察記」15年分を眺めてきました。コバチ類では名前が判るものが少ないのですが、見たことがあるようなものも載っています。狩り蜂や美麗種が多いので、一度ご覧になってみてください。

投稿: ezo-aphid | 2011年2月 5日 (土) 19時17分

ezo-aphid さん、こんばんは。
結局先日のものと同種(しかも同じくメス)という可能性もあるということですね。それにしてもお腹の大きさがこんなに違うのは不思議です。この次期に産卵を済ませてしまったということもないでしょうに。
「裏庭観察記」は以前から見ています。狩り蜂、寄生蜂の行動を捉えた写真には驚嘆しています。それに写真が素晴らしくきれいですね。あんなふうに撮れればいいのですが。


投稿: おちゃたてむし | 2011年2月 5日 (土) 21時58分

おちゃたてさん、すでに御覧でしたか。15年というのはすごいですねー。  Neanastatus albitarsisがいましたね、熱海が基産地だから明石よりは当然といえるかも。
 毎年、初夏に現れているナガコバチ科の朱・緑金色の種類は、植物の種に寄生しそうな形ですが、何なんでしょう。画像を拡大して見られないこと、カット数が1枚だけで、観察情報が少ないのが、画像の昆虫の所属を調べる上で難点ですねー。判明種の多さをみると、狩り蜂に関心が高い人と見受けました。そこに力点を置いた整理のしかたをすると、もっと訪問者は増えると思います。

投稿: ezo-aphid | 2011年2月 5日 (土) 23時16分

ezo-aphid さん、こんばんは。
確かに、あれほどの画像をもっと大きく、状況説明などを加えて公表していただけたら素晴らしいと思います。それにしてもどんな「裏庭」なんでしょうか。
Neanastatus albitarsis は見落としていました。小型でも美しく特徴のある種なので、名は不明でも撮影しておられる方は多いと思います。

投稿: おちゃたてむし | 2011年2月 6日 (日) 20時34分

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