カシトガリキジラミ(改題)
アラカシの葉裏にいたトガリキジラミです。体色が薄いのは羽化後時間が経っていないせいでしょう。うしろにぼやけて見えているのが脱皮殻です。
冬の間、各種の常緑樹の葉裏でよく似たトガリキジラミが見られます。それぞれが違う種なのか同種なのか、確認するつもりでいろんな木で撮影した成虫を見比べてみたことがありますが(例えばこちら)、写真でははっきりした違いがわかりません。この写真の個体も他の木で撮影したものと同じに見えるのですが、今回は幼虫も一緒だったのでアラカシに寄生する種であることは確かだと思います。頭端から翅端まで約4.4mmです。
同じ葉の裏にいた幼虫です。体長約2.4mm、体の周囲に生やしたストローのような毛がきれいです。
(2011年3月23日・明石公園)
* 5月7日・追記とタイトル修正 *
ezo-aphidさんにご指摘いただいたとおり、カシトガリキジラミで間違いなさそうです。タイトルを「トガリキジラミの一種」から表記のように変更しました。その後やはりアラカシの葉裏で撮影した同種の卵と1齢幼虫を掲載しました。
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コメント
こんにちは、
キレイな色のキジラミの幼虫ですね、しかもプランクトンみたいに周囲に毛まで生やしいて、一度見てみたいです。
ヤツデキジラミの羽化はこの間撮りましたが、未だにこんなに薄べったい中から、成虫が出てくるのが不思議です(^^;。
投稿: そら | 2011年3月29日 (火) 12時33分
アラカシで育ったのなら、これはカシトガリキジラミではないでしょうか? cinii で「カシトガリキジラミ」と引くと、宗林さんによる「生活史」の記述があり、年1化で成虫は3月に出現し(宮武さんは3-5月に見られる、と記述)新葉に産卵する、としています。
キジラミもアブラムシ同様に、一定の種が育つ植物の属は限られているとのことです(多くの属で育つ多食性の種がいるかもしれませんが)。この関係のリストがあれば、目星をつけやすくなるのですが。関西なら、大阪市立自然史博物館の「Nature Study」(宮武頼夫:19巻1号、32巻10号など)が参考になると思います。
ところで、晩秋に見られるトガリキジラミは何なんでしょうね。まさか、これが生き延びてるはずはないと思うのですが・・・・・。
投稿: ezo-aphid | 2011年3月29日 (火) 18時11分
そらさん、こんばんは。
キジラミの幼虫はなんでどれもこんな格好なんでしょうかね。捕食者や寄生者の目を避けるためか、あるいは風に飛ばされないための用心か、それとも・・・。
投稿: おちゃたてむし | 2011年3月29日 (火) 22時23分
ezo-aphidさん、こんばんは。
今回のものは幼虫がいたのでアラカシで育つ種で間違いないと思いますが、同じ場所で冬の間に見られる種との違いがよくわかりません。この冬にアラカシをはじめヤツデ、モチノキなど5~6種類の木の葉裏で撮影したものをよく見比べてみたのですが、写真ではどれも同じに見えます。成虫ばかりなのでそれらの木がホストとは限らないのでしょうが、単一の種がこれほど多くの植物についているのは不思議な気もします。ネットで検索してもトガリキジラミ類の画像はほとんど出てこないので、私にはお手上げです。
投稿: おちゃたてむし | 2011年3月29日 (火) 22時54分