オドリバエ科の一種(Anthalia sp.)
* 2014.05.19・追記 *
下の写真の個体はすべて雌だったようです。雄はこちらに掲載しました。
いつもの公園でモチツツジより一足早く、コバノミツバツツジが咲き始めました。
花を覗くと小さなハエが集まっています。すべて同種のようです。
花粉を舐めているようです。大きなお腹をしているので、これはメスでしょうか。
こちらがオスかもしれません。複眼の大きさは同じように見えます。
翅脈を見るとオドリバエ科ではないかと思います。体長は2.0~2.4mmくらいです。
(2011年4月15日・神戸市垂水区 学が丘北公園)
* 4月22日・写真追加 *
上の写真では翅脈が判りにくいので、拡大してコントラストも上げた画像を出しておきます。ちょっとどぎつい色になりましたが。
* 4月23日・追記とタイトル修正 *
ezo-aphidさんが調べて下さった結果、オドリバエ科・Anthalia属に落ち着きました。詳しくはコメントをご覧下さい。タイトルに属名を加えました。
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コメント
うーん、参りました。いろんな面でオドリバエ科らしくなくて、あちこちをさまよいました。
私のイメージでは、1)横脈が多くてやや複雑な翅脈、2)雄は交尾時に贈り物を渡したりするので、脚(とくに前脚)の腿節は太いものが多い、というのが科の特徴なのですが、どちらにも合いません。三枝先生の検索システムの図を見ると、翅脈はPhyllodromia属に近そうな印象ですね(翅脈を明瞭には読めないのですが、Cu脈基部あたりが尋常ではなさそうです)。オドリバエ科には花粉食の種類もいるし、脚の形も一様ではないことから、これもありだろう、という結論です。ただし、Diptera.infoでは、これに似た種を見つけられませんでしたが。
投稿: ezo-aphid | 2011年4月22日 (金) 13時22分
ezo-aphidさん、
その後昔撮った写真を探すと、同じハエがやはりツツジの花の中に十数匹群れているのが出てきました。オドリバエはみんな捕食性かと漠然と思っていたのですが、花粉食のもいるんですか。
写真の翅脈は不明瞭ですが、「屋内害虫・双翅目の科の検索表」のp.125の31b図あたりに似ていると思いました。
投稿: おちゃたてむし | 2011年4月22日 (金) 21時16分
もう一度MNDを読んで、花粉食といわれるAnthalia属, Euthyneura属を当たってみました。国内から前者の記録はなく、後者は1種類のみ知られています。驚いたことに、この属の「スカシチビオドリバエ」というのが、「北のフィールドノート」という青森県のブログサイトに載っていました。ツツジのおしべに群れていて、いかにも花粉好きのようで、外観もよく似ています。詳細に比較しなければなりませんが、これかもしれませんねー。
投稿: ezo-aphid | 2011年4月22日 (金) 22時48分
ezo-aphidさん、
ほとんど同種に見えますね。翅脈を比較したいので拡大画像を出しておきました。ほぼ一致していると思います。MNDの図ではdm室の形などAnthaliaの方により近いように見えますが日本にはいないんですね。
投稿: おちゃたてむし | 2011年4月22日 (金) 23時31分
翅脈を読みとれるようになったので、例の図解検索システムを使えるようになりました!! ご指摘の通り、Anthalia属に落ちますね。「北のフィールドノート」で言うスカシチビも同属同種と思われます。結局、同定不能ですが、オドリバエ科「Anthalia属の一種」という表題がいいと思います。
投稿: ezo-aphid | 2011年4月23日 (土) 00時51分
ezo-aphid さん、おはようございます。
やはりAnthalia属になりますか。普通種と思われるのに未記載とは不思議ですね。タイトルを修正しておきます。ありがとうございました。
投稿: おちゃたてむし | 2011年4月23日 (土) 06時20分
http://furumusi.aez.jp/wiki.cgi?%A5%AA%A5%C9%A5%EA%A5%D0%A5%A8%B2%CA#i7
AnthaliaはOcydromiinae亜科に所属しますので、「日本産オドリバエ科仮目録」というべきもの(上記)を眺めてみました。和名のつけ方に特徴が反映されているようで、このチョボグチセダカバエ亜科の8種にはセダカという語句が入っています。モモブトという2種には捕獲脚があるのかも。
Euthyneuraはキアシハナムグリセダカバエという和名も持っていて、花粉まみれの生活を想起させてくれます。花粉はたんぱく質が多く、昆虫食の代用になるのでしょう。捕獲脚を持たない(ように見える)これらの種では、交尾時の「婚姻贈呈」の儀式はどうするのでしょうか。贈呈は省略して、バイキング食中のどさくさ紛れ??
投稿: ezo-aphid | 2011年4月23日 (土) 08時56分
ezo-aphid さん、こんばんは。
「セダカ」はありそうですが「チョボグチ」とは・・・。和名を考えるのも大変なんでしょうね。
こんな種にも「婚姻贈呈」があるんでしょうか。どさくさ紛れという手もあるのかどうか、これを撮った日には複数の花で同種のハエを沢山見ましたが、交尾中のものはなかったと思います。
投稿: おちゃたてむし | 2011年4月23日 (土) 21時02分