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2011年6月 7日 (火)

ヒロクチバエ科の一種

一昨日出したキアシキンシギアブと同様、5月下旬から梅雨明けくらいまでの比較的短い期間にだけ出現するハエです。薄暗い林中で見ることが多いようです。

_dsc3399
かなり大型(この個体で体長約13mm)な上に体全体の渋い金属光沢や頭部の奇妙な形など、印象的な種です。動きは鈍く、カメラを近づけても後退りするくらいで飛んで逃げられた経験はほとんどありません。一度だけですが、細い木の枝(樹種は憶えていません)で産卵らしき行動をとっているのを見たことがあります。

ついでに3年前に撮ったものも載せておきます。

_dsc3097
科名の由来の大きな口吻が見えます。

_dsc3101
1枚目の個体では翅にわずかな着色があるように見えますが、こっちのはほぼ透明です。腹端も尖っていないので最初のがメスでこれがオスかも知れません。

_dsc3130
同じ個体の顔です。

「一寸のハエにも五分の大和魂・改」でヒゲナガヒロクチバエ Lamprophthalma japonica Frey とされている種によく似ていますが、そちらの画像では翅の前縁にはっきりした黒紋が認められるので別種だろうと思います。ただ私の1枚目の個体ではその部分に薄い着色があるようにも見えますし、同じ場所で撮った過去の写真を調べると「一寸のハエ・・・」に近い黒紋が見えるものも出てきました。ひょっとしたらすべて同種内の変異なのかも知れません。

(1枚目:2011年5月26日・神戸市垂水区 学が丘北公園)
(2~4枚目:2008年6月10日・明石公園)

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双翅目」カテゴリの記事

コメント

うーん、強そう。ダースベーダーみたい。学名を頼りに検索すると、ご指摘の通り、雄の画像が熊本と韓国にありました。「みんなで作る双翅目・・・」には翅に無紋の個体もありましたし。ただし、少し小さめなのと東南アジア近辺に10種以上というのはちょっと気になりますが、文献見つからず、です。
 翅の状態からTeneralとみなして、付近のどこから羽化したのか、生活史を調べてみましたが、Lamprophthalma属は不明でした。根瘤菌を食べるというRivellia属、バッタ卵を食べるElassogaster(そらさんとこにいます)の一種以外は、どうやら腐植性(腐朽木?)のようですが定かではありません。

投稿: ezo-aphid | 2011年6月 7日 (火) 12時31分

ezo-aphid さん、こんばんは。
そう言われてみれば、3年前のものなど翅脈にも色がついていないので羽化後間もない個体なんでしょうね。そこまで思い至りませんでした。
体全体の色も薄い、明らかに羽化直後と思われるものも以前撮っているのですが、それは木の幹の低い位置でした。やはり落ち葉や腐植土の中から出てきたもののように思われます。
過去に撮った写真ではやはり翅の紋がはっきりしないものの方が多いようです。地上近くでうろうろしているのは若い成虫が多いのかもしれません。

投稿: おちゃたてむし | 2011年6月 7日 (火) 19時59分

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