« マダラアシナガバエ | トップページ | ナガゴマフカミキリの産卵 »

2011年7月17日 (日)

マダラマルハヒロズコガ

幼虫とは以前からお馴染みになっていたのですが、成虫をはっきり認識したのはかなり最近のことです。

_dsc3641_2
モチノキの幹に下向きにとまっていました。以前から何度も撮ってはいたのですが、あまりにも特徴のない地味な姿に種名を調べる前からあきらめていました。

_dsc3644
頭端から翅端までちょうど10mmです。

_dsc3769
ついでに、ひと月ほど前にアラカシの幹で見た幼虫です。ツヅミミノムシと呼ばれるそうですが、ひょうたん型の巣を背負ってひょこひょこ歩く姿は愛嬌があります。巣の長さは約13mmで、ほぼ成長しきった大きさではないかと思います。

_dsc2739
巣には特に前後ろはないようで、時々内部で反転して反対側から顔を出します。驚かせると頭を引っ込め巣の開口をぴったり閉じて、こちらの根気が続かなくなるまで顔を見せてくれません。

(成虫:2011年7月5日/幼虫:2011年6月4日・明石公園)


|

« マダラアシナガバエ | トップページ | ナガゴマフカミキリの産卵 »

鱗翅目」カテゴリの記事

コメント

相変わらず蛾類の記事にはコメントが無く、何やら私に責任を感じてしまいます。(私の勝手ですが・・・)
少しだけ遡って、ここからでも・・・。

成虫は、大きさと触角の感じ(少し太く見える)から♂の様に思われます。
幼虫は食事の関係で見付けてもその場観察に留め飼育は諦めています。
蓑には前後および表裏もありません。この蓑を連れて移動するには障害物が多すぎて絶えず方向を変えなければならないのと裏返った場合起き直れないからです。
ただし、左右はあります。凹んだ部分の片側周辺(写真では上側)は表裏の蓑が繋がっており蓑同士を強く合わせるバネ力を持っています。
他方は周辺と同じで合わせられているだけです。
蓑を大きくするのは、2枚貝と同じで周辺を少しづつ増やしていくため年輪のような模様が付きます。
この蓑は内側からは開けることができても外側からはできません。
従って、一旦外に出てしまうと二度と蓑に戻れませんし、ミノムシ類のように新たに蓑を作り直すこともできないようです。
この幼虫は、草食に加え蟻を食べる肉食でもあるようです。鈍足な幼虫が迅速な蟻をどのように捕えるのか推測をしてみました。
蓑から頭を出して蟻に襲わせます、食いついた瞬間に蟻の頭部と共に引っ込み蓑で挟み込み身動きが取れなくします、ユックリ蟻頭部を攻撃し動かなくなってから全体を蓑内に引きづり込む。
このぐらいしか思いつきませんが・・・。

投稿: YAMKEN | 2011年8月14日 (日) 09時49分

YAMKENさん、こんにちは。お気遣いいただいて恐縮です。
ツヅミミノムシの習性や蓑の構造についてのご説明は知らないことばかりで、克明な観察に感服しました。
中でもこの虫が蟻を食べるというのには驚きました。それで思い出したのですが、ハンマーさんが8月3日付けの記事で、このツヅミミノムシがトゲアリの繭殻を食べているらしい行動を撮影した写真と動画を発表されています。蟻を食べると言う行動に関係があるのか、興味深いですね。

投稿: おちゃたてむし | 2011年8月15日 (月) 16時54分

こんにちわー。
この春に発行された「日本の鱗翅類」を眺めてたら、本種の幼虫は「アリの巣中でケアリ・アミメアリの幼虫を食べる」という報告がある、と記されていました。なぜか、甲虫関係の雑誌に発表されたもので、Narukawa et al. (2002)によるものです。昆虫の死がいも食べるようです。Gaphara属ではなく、Ippa conspersa (Matsumura)となってました。
想像ですが、人目につくようになるのは蛹化時期が近づいた終齢幼虫期だけで、小型のツヅミを陽光下で見ることはおそらく無いのでしょう。近くにアリの巣はあるのでしょうか? アリの種類を選ぶのか、どこに産卵するのか、どうやってアリの巣に入っていくのか、寄生蜂はいないのか、などなど、不思議がいっぱいの蛾ですねー。
「虫をさがしに・・・」というブログの2009年2月20日を見ると、枯れ幹に越冬した?6個の鼓サイズは9-13mmとなっています(すべてが終齢ではないのかも・・・・)。

投稿: ezo-aphid | 2011年8月17日 (水) 17時26分

ezo-aphidさん、こんばんは。
特徴的な巣の形だけでなんとなく親しみを感じていた虫ですが、木の幹をひょこひょこ歩く姿からはそんな特異な生態を持っているとは想像もしませんでした。ごく普通に見かける虫ですが、これまで特にアリの巣との関連に気づいたことはありません。
おっしゃるとおり実際に目にするのはほとんどがほぼ同じ大きさ(おそらく終齢?)のものばかりですが、長さ4~5mmの小さな巣も二、三度見たことがあります。一度は枯れ木の虫孔から交代で顔を出して木屑を捨てているアリ(確かヨツボシオオアリ)を撮影している時に、すぐその下を歩いていたように記憶していますが、撮影はしていません。
ごく身近にいる虫が、興味深い習性を持っているものですね。

投稿: おちゃたてむし | 2011年8月17日 (水) 20時36分

こんばんは、

そう言えば、先々週の日曜日に撮った写真では、誰の糸かは分かりませんが糸に絡まったアリを食していました。
大きさは5mm前後と言ったところで二匹でいましたが、アリを食していたのは一匹だけだったような(^^;。

投稿: そら | 2011年8月18日 (木) 20時48分

そらさん、おはようございます。
情報ありがとうございます。
アリの巣の外でもそういう行動が見られるんですか。
珍しくもない虫だと思っていましたが、知らないことはいくらでもあるものですね。

投稿: おちゃたてむし | 2011年8月19日 (金) 06時58分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: マダラマルハヒロズコガ:

« マダラアシナガバエ | トップページ | ナガゴマフカミキリの産卵 »