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2011年9月 4日 (日)

コオニアシブトコバチ(改題)

ネズミモチの葉の上にいたコバチです。

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何か探しているように、触角で葉面に触れながら歩き回っていました。

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体長は約3.3mm。後腿節が太いのでアシブトコバチの仲間だとは思いましたが頭にこんな角のあるのは初めて見ました。

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北隆館の大図鑑にはよく似た角を持つアシブトコバチが2種掲載されています。角の形はオニアシブトコバチ(Dirhinus hesperidum)の説明に合いそうですが、前翅は淡褐色とあるのに対して上の写真ではほぼ透明に見えるので別種でしょう。せわしなく動き回るので他の特徴を確認できるような写真が撮れなかったのが残念ですが、Dirhinusで検索すると海外サイトで似た画像がたくさん出てくるので(中国語のサイトでは「角頭小蜂」となっています)、このあたりには違いないと思います。

(2011年8月26日・明石公園)

* 9月5日・追記・写真追加とタイトル変更 *

このハチについて調べて下さったezo-aphidさんから、コオニアシブトコバチ Dirhinus(Hontalia)bakeri(Crawford) であろうとのコメントをいただきました。詳しくはコメント及びリンク先の資料を見ていただくとして、「複眼が密に細毛で覆われる」のが決め手ということです。今回のハチは撮影にあまり協力的でなかったのでボケたりブレたりの不鮮明な画像ですが、頭部の拡大画像を下に追加しておきます。複眼の「細毛」がどうにか認められると思います。タイトルを「アシブトコバチ科の一種(?Dirhinus sp.)」から表記のように変更しました。

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膜翅目」カテゴリの記事

コメント

なるほど、Di-rhino(2本ーツノ)なので、オニなんですね。下記のHusain & Agarwal(1981)をよく理解できませんが、ツノの小突起は1個のみ、その下の顔の前面にも小突起が見えるので、Hontalia 亜属なのかもしれません。日本に分布記録のあるDirhinus属6種のうち、この亜属はコオニアシブトコバチ(ただし、複眼に毛が多い、とのこと)だけです。種名はとても確定できそうにありませんが、(素人カンでは)属名は合ってるんだと思います。 ・・・・・結局は、いつもの役立たずのコメント。
http://www.nhm.ac.uk/resources/research-curation/projects/chalcidoids/pdf/HusainAg981c.pdf

投稿: ezo-aphid | 2011年9月 4日 (日) 17時12分

ezo-aphidさん、いつもながらお世話をかけます。
私は少し勘違いしていたようで、「顔面の小突起」を含めて図鑑の説明にある「先端の2歯」と解釈していました。角の先端が分かれていないとなるとなおさらオニアシブトコバチの可能性はないですね。属名は合っているとしても、日本に6種となるとこの画像で種まで迫るのは無理でしょうね。折角面白い顔をしているのに、いろんな角度から撮っておくことが出来なくて残念です。

投稿: おちゃたてむし | 2011年9月 4日 (日) 20時01分

先ほど図書館へ行って、Habu(1960)をコピーしてきました。ツノにある歯数とその尖り程度、顔面の小突起からみて、コオニアシブトコバチ Dirhinus(Hontalia) bakeri (Crawford)だと思います。インドの報文に、trichophthalmaという名前で図が載っています。402P. のFig.1ですが、肝心の頭部の形がHabuさんの図と比べると少し奇妙です(墨入れは、スケッチ者と別人?)。C が頭の側面図で、中央が複眼、右の小丸が単眼、上方の右突起が頭部の2本ツノ、左突起が顔面の小突起にあたります。つまり平面図Dは、側面図のCという文字の方向から見たものです。・・・・この図の曲線は納得しがたいですが、特徴はあってるようです(先にも書きましたが、「複眼が密に細毛で覆われる」のが決め手とのことです)。
http://www.nhm.ac.uk/resources/research-curation/projects/chalcidoids/pdf/ManiDu972.pdf
「コオニアシブトコバチ?」という表題でもいいように思いますが・・・。

投稿: ezo-aphid | 2011年9月 5日 (月) 16時06分

ezo-aphidさん、
お示しいただいた資料を拝見しました。おっしゃるように頭部の形を簡略化し過ぎているような気がしますが、突起などの特徴はよく似ていると思います。複眼の細毛も、私の写真を拡大してみると不鮮明ながら確かに確認出来ます。これが「密に覆われる」状態と言えるかどうかわかりませんが・・・。ところで、この資料で学名が異なるのはどういうわけでしょうか。
頭部の拡大画像を追加しておきますのでご覧下さい。タイトルもお勧めにしたがって変更しておきます。いつもありがとうございます。

投稿: おちゃたてむし | 2011年9月 5日 (月) 21時08分

毎度ありがとうございます、お手数をおかけしました。立派に「密な細毛」と思います。コオニの学名は、九大目録までは trichophthalma (Masi)を用いてたのですが、例の Chalcidoidea databaseで確かめてみるとbakeri のシノニム(異名)として消えていました。本種の分布はアジア熱帯圏(国内では静岡以南からの記録)、寄主は中型以上の各種ハエ類、とのことです。
 図へのご不満はごもっともですが、理解した以上の絵は描けないことと、「お雇い絵師さん」に描かせた図を監修しそこなった、とも考えられます。北隆館大図鑑の図の描き手を知りませんが、土生昶申さんの図もこれと同じくらい素晴らしいものです。いちど、「農業技術研究所報告C、第11号:131-363.」のコオニの図(328-333p)をご覧ください。お近くでは、神戸大学 附属図書館などにあります。

投稿: ezo-aphid | 2011年9月 5日 (月) 22時49分

ezo-aphidさん、
こちらこそいつもお手数をおかけします。
南方系のハチなんですね。ご他聞にもれず目下北上中というところでしょうか。私が見たのは多分これが初めてですが、中型以上の各種ハエ類に寄生するということであれば、これからも撮影する機会があるかも知れません。面白い形なので、次の機会にはもっと鮮明な撮影に挑戦したいと思います。
「農業技術研究報告」も機会があれば見てみたいと思います。ありがとうございました。

投稿: おちゃたてむし | 2011年9月 6日 (火) 06時41分

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