ハラビロクロバチ科(タマゴクロバチ亜科)の一種(Telenomus euproctidis)(改題)
ヌルデの葉裏でうずくまるように静止していた小さなハチです。
これまでに撮ったことのあるものの中ではタマゴクロバチ科に似ているような気がします。
撮影しているうちに眠りから覚めたように動き出し、触角を非常な速さで打ち振りながら歩き始めました。
(2011年10月26日・神戸市中央区)
* 10月28日・追記とタイトル変更 *
コメントにある通り、HepotaさんからTelenomus属ではないかとのご指摘をいただきました。Hepotaさんの撮られたTelenomusと見比べてみれば確かに非常によく似ているので、一応?付きでタイトルに属名を加えました。
* 10月31日・追記とタイトル再変更 *
ひげぶとさんから、写真の種はTelenomus euproctidis Wilcoxであろうと教えていただきました。また、タマゴクロバチ科は現在ではハラビロクロバチ科・タマゴクロバチ亜科とされているということです。ご教示にしたがってタイトルを「タマゴクロバチ科の一種」から表記のように変更しました。
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コメント
こんばんは。Telenomus属かな?
http://blog.tamagaro.net/?p=1205
投稿: Hepota | 2011年10月28日 (金) 17時28分
やっぱり、山岸(2004)「農耕地 タマゴクロバチ科」の引用文献にある論文を見たいですねー。とくにMasner(1979,1980)が書いた「タマゴクロバチ科の属の検索表」ですが、無料で見られるサイトは見つからないようです。
投稿: ezo-aphid | 2011年10月28日 (金) 19時27分
Hepotaさん、こんばんは。
なるほど、Hepotaさんの撮られたTelenomusに非常によく似ていますね。
私も以前カメムシ卵から出てきたTelenomusを撮っていたのですが、そちらはだいぶ大柄で形も違うように見えるので迷っていました。
触角の節数が私のが10節でHepotaさんのが11節と違いがありますが、以前ひげぶとさんにいただいたコメントによれば日本産Telenomusの多くがメス11節・オス12節という構成で、メス10節・オス12節というのもいくつか知られているそうなので、どちらもTelenomusのメスということになるのかも知れません。
とりあえずタイトルはその線で変更しておきます。
ezo-aphidさん、こんばんは。
タマゴクロバチ科にはいくつくらいの属があるんでしょうか。
なにぶん小さ過ぎて、検索に必用な特徴で写真から確認出来るものは多くないかも知れませんね。
投稿: おちゃたてむし | 2011年10月28日 (金) 22時17分
日本と韓国のTelenomusをまとめたリュウさんと平島先生の論文(Taxonomic Studies on the Genus Telenomus Haliday of Japan and Korea (Hymenoptera, Scelionidae) Part II, 1985を読む限り、写真の種はTelenomus euproctidis Wilcoxの記載と細部まで一致しているので、euproctidisと考えて良さそうです。
投稿: ひげぶと | 2011年10月31日 (月) 13時20分
書き忘れがありましたので、追記しておきます。Scelioninae(Platygastridae)の属の検索は、文末の2つの論文が重要ですが、いずれも以下のサイトでダウンロードできます。
ちなみに、タマゴクロバチ科は現在では、ハラビロクロバチ科のタマゴクロバチ亜科とされています。
http://osuc.biosci.ohio-state.edu/hymDB/eol_scelionidae.home
Masner, L. 1976. Revisionary notes and keys to world genera of Scelionidae (Hymenoptera: Proctotrupoidea). Memoirs of the Entomological Society of Canada 97: 1-87.
Masner, L. 1980. Key to genera of Scelionidae of the Holarctic region, with descriptions of new genera and species (Hymenoptera: Proctotrupoidea). Memoirs of the Entomological Society of Canada 113: 1-54.
投稿: ひげぶと | 2011年10月31日 (月) 13時34分
おちゃたてむし様
Telenomus属の♂のアンテナはすべて12節です。
先ほどコメントを読ませていただいたときに気づかなかったのですが、念のためにお知らせします。
投稿: ひげぶと | 2011年10月31日 (月) 14時19分
ひげぶとさま
文献のありか(HPのBibliography:Mの項)のご紹介ありがとうございます。「Masner,1980」の方は素人が絵合わせできそうな(気にさせてくれる)ので親しみやすいです。「Masner,1976」は属の特徴についての記載文だけのようなので、確認の際に使えばいいかと思います。
結局、1980年時点では3亜科74属あって、それらは体の全形である程度絞られ、さらに走査電顕の画像で見た表面構造で分類できるように思いました。
投稿: ezo-aphid | 2011年10月31日 (月) 15時50分
日本での概要は、やっぱり、山岸(2004)「農耕地 タマゴクロバチ科」に集約されますね。現状で39属の採集頻度、所属亜科、寄主、概観図などについて、ちゃんと書いてあります。既知種数はmokurokuで調べると出てきますしね。
投稿: ezo-aphid | 2011年10月31日 (月) 18時01分
ひげぶとさん、
詳しくお調べいただきありがとうございます。
お示しの(Telenomusに関する)論文は私には参照することが(多分理解することも)出来ませんが、ご教示いただいた種名を記事に加えさせていただきます。
Masner, L. 1980.の方は、ezo-aphidさんの言われるように画像が多くて親しみやすい気がしますが、絵合わせするにはこちらの写真の解像度がよほど高くないと難しそうですね。
アンテナの節数の件、いただいたコメントからの引用の間違いで、大変失礼しました。訂正しておきます。
ezo-aphidさん、
日本に39属ですか。おそらく普通に見られるのはそんなに多くはないんでしょうが、その中で(他力本願ながら)種名まで分かれば立派なものですね?
投稿: おちゃたてむし | 2011年10月31日 (月) 22時18分