繭を紡ぐヒロヘリアオイラガの幼虫
繭を作り始めたヒロヘリアオイラガの幼虫を見つけました。
完成した繭や抜け殻はいたるところで見かけますが、実際に繭を作っているところを見るのはこれで二度目です。
未完成とは言えどうも破れかぶれな出来で、製作途中で一度何者かに破られたのを補修しているかのように見えます。
糸を吐く頭の動きは結構速くて、どの部分から糸が出て来るのかよくわかるような写真が撮れませんでした。
作りかけの屋根の下でときどき器用に体を反転させて作業を続けています。
約3時間半後の帰り道に覗いてみましたが、まだまだ完成にはほど遠いようです。なかなか時間のかかるものですが、普段見かけないのは通常は夜間に行なわれているからでしょうか。
(2011年10月11日・明石公園)
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コメント
ご不満でしょうが、糸の出元は判るように思います。頭部の画像をさらに拡大してみると、中央からやや左下に向かってる糸が見えます。それをたどると、出元は濃い細長の「山」の字模様がある筒の先にあるようです。これが吐糸管なのでしょうね。
投稿: ezo-aphid | 2011年10月23日 (日) 12時29分
ezo-aphidさん、ありがとうございます。
確かによく見ると「山」の字の先あたりから糸が出ているように見えます。
幼虫図鑑巻末の模式図と照らし合わせて少しわかってきました。
でも蛾の幼虫の口器は結構複雑なもんですね。
投稿: おちゃたてむし | 2011年10月23日 (日) 22時59分
こういう現場にはなかなかお目にかかれませんが、お付き合いするには根気がいります。
私も飼育していたもので経験がありますが根負けしています。
白い膜状の部分は、建築時の足場のようなもので繭が完成すると簡単に剥がれ落ちてしまうようです。
球状に作られる繭の中の幼虫は360度どの方向にも回転できるようでよくまあと感心させられます。
糸を幾重にも重ねて薄い膜状にするとそれに体液を浸み込ませ固まると固い繭殻の出来上がりになります。
体液の前後は判りませんが、お尻部分の4個の黒い毛束を内側から押し付けて繭の外に散らばせています。
この黒い毛には毒があるのかが判りませんが、黒い部分には毒があると認識されている天敵たちを牽制する役目がありそうです。これも繭殻が固まるまでのものか案外早くなくなってしまうようです。
この時期のものは、来春まで前蛹状態で過ごし、羽化が近づくころに蛹化します。
投稿: YAMKEN | 2011年11月11日 (金) 08時38分
YAMKENさん、
この白い膜がだんだん分厚くなっていって硬い繭になるのかと思っていたのですが、これはただの足場なのですか。
蛾の繭造りには何度か出会ったことがありますが、延々と時間がかかるので、自宅の庭ででもない限り最後まで見届けるのは無理ですね。でもYAMKENさんはさすがによく見ておられるのに感心します。
ヒロヘリアオイラガは個体数も多いので、一度羽化も見たいものだと思っているのですが、これも夜の間に済ませてしまうんでしょうね。
投稿: おちゃたてむし | 2011年11月11日 (金) 09時53分