ニッポンオナガコバチ
明石公園のクロガネモチにニッポンオナガコバチのオスが多数集まっているのを初めて見たのは昨年のちょうど今頃でしたが、今年も同じ木で同じ光景が見られました。
ほとんどのオスはあちこちの葉裏や赤い実の上でじっと待機しているようでしたが、一箇所だけ動きの激しいところがありました。実に開いた小さな穴からメスの顔が覗いていて、1匹のオスがそのメスの脱出を促すように触角で叩いたり、周りに寄って来る他のオスたちと追いかけっこを演じたりしています。
ただ私にはオスはどれも同じ顔に見えるので、一匹のオスが連続して足場を維持しているのか、それとも複数のオスが時々入れ替わっているのかがよくわかりません。
こちらが邪魔をしているせいもあったのかも知れませんが、メスは一向に穴から出る気配がなく、暗くなったのであきらめて引きあげました。メスの脱出の様子は昨年の記事に出しています。
同じ公園にはやはりこのハチの寄主植物とされるナナメノキ(ナナミノキ)も数本あって、ちょうど今小さな実をつけていますが、どの木でもこのハチの姿は見られませんでした。他の寄主としては、ハンマーさんがソヨゴやウメモドキで、またBABAさんもソヨゴで同様のシーンを撮影しておられます。
最後に、モチツツジの粘毛に捕まったオスたちです。
以前やはり今頃の季節に、モチツツジの葉に捕えられた多数のオスを見ています。今回は1匹づつでしたが、かなりの数が犠牲になっていました。偶然にしては多いような気がして、何か特にこの植物に惹きつけられる理由があるのではないかと疑っています。
(2011年11月15日・明石公園)
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コメント
おはようございます。
今回、はじめてこのハチに遭遇して、メスの出現を待つのは容易ではないと知りました。
やはり、じっと待つしかないんでしょうかね。
モチツツジの葉の粘りが昆虫による食害を防ぐものと始めて知りました。このハチにとっては迷惑な話ですね、
投稿: BABA | 2011年11月18日 (金) 08時36分
BABAさん、こんばんは。
ほんとに、虫の都合に合わせようと思えばひたすら時間をかけるしかありませんね。
記事には書き忘れましたが、今年はこのハチの産卵シーンを押さえるのを一つの目標にしていたのですが、叶いませんでした。
メスは成虫で越冬するので、今年の春以降この公園を訪れる度に必ずこのクロガネモチの木を覗いていたのですが、ついに見ることが出来ませんでした。残念ですが来年に持ち越しです。
投稿: おちゃたてむし | 2011年11月18日 (金) 19時46分