アカギカメムシ
妻がテニスコートで変わったカメムシを「拾って」きたと言うので、あまり期待もせずにプラ容器の中を覗いてみて驚きました。写真でしか見たことのなかったアカギカメムシです。
大慌てで手近にあった住所録の表紙に載せて撮影しました。幸いすでに越冬態勢に入っているのか、あまり動きません。
図鑑を見ると日本での分布は九州・南西諸島とされています。四国や本州南岸でも見つかることがあり、またかなり移動性が高いそうですが、まさかこんな身近で見られるとは予想外でした。オオキンカメムシならこのあたりでも冬場に越冬中の個体を見ることがありますが、この個体は1匹だけ遠くから飛んできたのか、それともどこか近くで繁殖している場所があるんでしょうか。
オオキンカメムシに比べるとやや体高が低いようですが、それでもかなりの重量感です。キンカメムシ類特有の背面を覆う大きな小楯板の下から、翅の先が突き出しています。
折角の珍品なのでついでに腹面も。ひっくり返すとそれまで大人しくしていたのが急にじたばたし始めて、すぐに紙のわずかな凹凸に爪を引っ掛けて起き直ってしまいました。
やはり図鑑によれば前胸背側角に鋭い棘状の突起を持つ個体がまれに現れ、その出現頻度は日長が長いほど高くなるそうです。南方系の種の中でも南方系の個体、なんですかね。
(2011年11月17日・神戸市西区で採集)
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コメント
おちゃたてむしさん、おはようございます。
アカギカメムシ有角個体ですね。棘のある者はこちら(宮崎)でも一定の割合(正確には知らないが、1から3割?)ぐらい見られるようです。
私も最近見た(無角)ので、リンク張らせてください。
こちらでは、3000頭以上の集団も見つかることがあるので、近くの
アカメガシワを一応チェックされてはどうでしょうか。
死んでしまうと色が変わるので、生きている内に写真撮れてよかったですね。
投稿: tukik | 2011年11月23日 (水) 10時52分
tukikさん、こんばんは。
リンクありがとうございます。
この大きくて派手なカメムシが3000頭とは、さぞかし見事でしょうね。一度この目で見たいものです。
こちらでは冬場に葉の裏で越冬するオオキンカメムシを見ることはありますが、多くても一ヶ所にせいぜい5~6匹程度で、集団越冬と呼べる程のものではありません。
アカメガシワは行きつけの公園にも多いので、注意しておきたいと思います。
投稿: おちゃたてむし | 2011年11月23日 (水) 21時30分
とうとうそちらにも飛んで行ったのですね。
今年の冬は寒かったので、今年の宮崎は数が激減したのですが。
南方系の昆虫の北上は興味深いです(^^)
投稿: mmerian | 2011年12月 8日 (木) 11時11分
mmerianさん、はじめまして。
ブログは以前から拝見しています。
南方系の生き物の北上と言うと近頃ではすぐに地球温暖化という言葉に結びつけられますが、本当のところはどうなんでしょうね。
いずれにしても普段見られない南の虫の出現は嬉しいです。
投稿: おちゃたてむし | 2011年12月 8日 (木) 14時34分