キノコバエ科2種(Epicypta sp.とAspidionia sp.)(改題)
葉裏の虫が続きます。
同じ日に見つけた2種のキノコバエです。
背中からでは頭が隠れて見えません。この状態で体長は3.2mmほど。頭を起こせばもっと長くなると思いますが。ヤツデの葉裏です。
その2.
なぜか翅をひろげていますが死んでいるわけではありません。その1.と同じ測りかたで体長約2.2mmです。トウネズミモチの葉裏にいました。
(2011年12月12日・神戸市垂水区 多聞台東公園)
* 12月26日・追記とタイトル変更 *
ezo-aphid さんから、その1.は翅脈が Epicypta属によく一致し、その2.もそれに近いのではないかとのコメントをいただきました。タイトルに属名を加えておきます。
* 12月27日・追記とタイトル変更 *
その後の ezo-aphid さんのコメントにあるように、その2.はEpicypta属に近いものの別属のようなので、タイトルを再度変更して「Epicypta sp.と不明種」としておきます。
* 2012.03.13・追記とタイトル変更 *
その2.について先にAspidioniaという属を候補として挙げられていたezo-aphidさんが、同属を図示した論文を探し出して下さいました。その2.によく似ていて、ezo-aphidさんのおっしゃるように同属と考えて良さそうなので、タイトルに属名を加えておきます。
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コメント
キノコバエ科は難しいものと思い込んでましたが、いつもの分厚い赤本(MND)を見ると、64属も翅脈図が載っていて、ある程度まで絵合わせでいけるんですね。その1の翅脈は72.Epicypta属にぴったり合い、その2はそれに近いように思います(??大図鑑Ⅲのクロヒラモモキノコバエ)。Epicypta属は、九大目録では2種のみですが、「一寸のハエ・・・」での三枝先生の見解では、日本には未報告を含めると10種以上いるとのことです。
投稿: ezo-aphid | 2011年12月25日 (日) 16時04分
ezo-aphidさん、こんにちは。
MNDの翅脈図には一応目を通したのですが種類の多さに恐れをなして投げ出してしまいました。ご指摘をいただいて再度覗いてみると、なるほどその1はEpicypta属とぴったりですね。我ながら根気のなさが嫌になります。
クロヒラモモキノコバエは私の参照した大図鑑(8版)ではDelopsis属となっていますがその後所属が変わったんですね。図鑑の写真と見比べるとその2は脚の色が違うのと体長もかなり下回るので別種ではないかと思います。とりあえずタイトルは?Epicypta spp.としておきます。ありがとうございました。
投稿: おちゃたてむし | 2011年12月26日 (月) 16時22分
こんばんわ。diptera.infoへ行ってgalleryを覗いてみたところ、概観・翅脈ともに、その2によく似たEpicypta sp.がいました。
また「Epicypta Chandler」で検索するとEnt.Scand. 12:199-212.という1981年の雑誌のPDFが見られますが、それにE. aterrimaの再記載がありました(ただし図は生殖器のみ)。その翅長は雄で2.6-3.0mm、雌で3.0-3.3mmとあり、やはりこれより大型のようです。また、日本で戦前から記録されているクロヒラモモキノコバエは、再確認が必要だ、とも指摘しています。
投稿: ezo-aphid | 2011年12月26日 (月) 18時48分
ezo-aphidさん、おはようございます。
お調べいただいてありがとうございます。
Ent.Scand.は手に負えそうにないのでdiptera.infoのgalleryを覗いてみました。Epicypta sp.の3種の画像を見ましたが、その2.とはやはり翅脈がかなり異なるように思うのですがいかがでしょうか。
投稿: おちゃたてむし | 2011年12月27日 (火) 08時38分
すみません、同じ概観なので喜びすぎて、翅脈を取り違えてしまいました。
旧北区になら、こんな翅脈の属がいるかと図書館へ行ってMHDのSciaroideaを見ましたが、MNDに数属を加えた程度で大差なく、結局見つかりませんでした。Epicypta属と同じ亜科(Mycetophilinae)に所属する別属だろう(r-m脈が無い点は重要な違いなので)、というのが現在の感想です。東南アジア固有の属なんでしょうか。
投稿: ezo-aphid | 2011年12月27日 (火) 16時02分
ezo-aphidこんばんは。
大変ご面倒をおかけしているようで申し訳ありません。
あれから私もMNDの翅脈図と睨めっこしてみたのですが分からなかったので、ezo-aphidにも見つからなかったと聞いてほっとしました。
タイトルはEpicypta sp.と不明種、としておきます。
投稿: おちゃたてむし | 2011年12月27日 (火) 17時31分
別件で「一寸のハエ・・・・」を読んでたら、アノニモ先生の以下の文章を見つけました。その2の属名候補のひとつとして、あげておきます。
「また,Aspidioniaという大変小さなEpicyptaに類似した属も日本に2種分布しており,これは中胸背板の前半部の背中線に光沢のある縦の隆起条を持っている特異なものです.」
投稿: ezo-aphid | 2012年2月 7日 (火) 09時32分
ezo-aphidさん、
新たな情報をありがとうございます。「その2」の画像を拡大して調べてみました。正面からの写真がないので「中胸背板前半部」がよく見えないのですが、隆起条らしきものは確かに確認できます。「条」と呼ぶには幅が広いように見えますが、「その1」や2012.2.7の記事に出した2種にはこのような構造は見られないので、こらがアノニモミイア先生の言及されているものなのかも知れません。このAspidionia属がどんな翅脈を持っているのか気になります。
投稿: おちゃたてむし | 2012年2月 7日 (火) 23時25分
ふらふらと捜し歩いたらぶつかりました。
「Aspidionia Micronesia」で検索すると、Colless(1966)の30頁ほどの論文Insects of Micronesia,12(6)が見つかります。その665頁にAspidionia paluensis Collessの翅脈と胸部側面の図が載っていました。翅脈はぴったりとはゆきませんが、どうやらこれで同属と考えてもいいように思います。 tukikさんのところ「2011.01.26、その2」で見つかったのも同属(同種?)でしょうね。
投稿: ezo-aphid | 2012年3月13日 (火) 11時52分
念のため、検索したみたら2か所にあり、Bishop-Museum の方は、ちょうどその頁が欠落していました。online-keysの方には欠落はありません。
投稿: ezo-aphid | 2012年3月13日 (火) 18時54分
ezo-aphidさん、こんばんは。
古い記事を気にかけていただいてありがとうございます。
お教えいただいた論文の図を見てかなり近そうだと思いました。胸部側面図は上の写真にとてもよく似ていますし、翅脈についてもMNDに載っている64属の翅脈図の中にこれに似たものがないことを考えると、これはAspidioniaとして良さそうですね。タイトルに属名を加えておきます。
投稿: おちゃたてむし | 2012年3月13日 (火) 21時00分