タマゴクロバチ科の一種(Trimorus sp.)
ヤツデの葉裏にいた、恐らくタマゴクロバチ科と思われる体長約1.1mmの小さなハチです。
全体の形や中胸背板の一対の縦溝、また触角の構造や腰のあたりに見える球状の突起(?)などが tukiku さんのブログに掲載された Trimorus 属によく似ています。体長も一致するので同属ではないかと思っています。
(2011年12月12日・神戸市垂水区 多聞台東公園)
* 12月30日・画像追加 *
写真のハチの所属についてひげぶとさんが詳しく調べて下さっています。参考のために部分拡大画像を追加しました。何かわかればいいんですが。
* 1月4日・追記とタイトル修正 *
くろばちさんより、翅脈から Trimorus 属としてよい、とのコメントをいただきましたので、タイトルの属名から「?」を外しました。
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コメント
おはようございます。
翅脈がよく見えませんが、Trimorusで間違いないと思います。
投稿: ひげぶと | 2011年12月29日 (木) 09時13分
おちゃたてむしさま
文献をあたってみました。Trimorus属のクロバチは日本から10種以上が記録されています。そして写真の種は、MIYAZAKI MINORU氏が新種として1979年に記載した5種に限定した検索表では、ストレートに Trimorus calvus Miyazaki, 1979 に至りました。原記載を読む限り、近似種のTrimorus punctifrons Kieffer との区別点も含めて、頭部の特徴や胸部の形態も原記載とよく一致していますので、Trimorus calvusと考えてよいと思います。
投稿: ひげぶと | 2011年12月29日 (木) 11時39分
ひげぶとさん、こんばんは。
詳しくお調べいただいてありがとうございます。THE GENUS TRIMORUS FORSTER OF JAPAN のpdfを見ました。例によって画像の比較しか出来ないのですが、ここで示されているTrimorus calvus の図を上の写真と比較すると一致しない点が多いように感じます。写真の解像度が足りないのがもどかしいのですが、胸部の形が違いますし、写真に見えている腰のあたり(第一腹節?)の球状の突出部が図示されていないのも不可解です。ご意見お聞かせいただければ幸いです。
投稿: おちゃたてむし | 2011年12月29日 (木) 20時04分
おちゃたてむしさま
「Trimorus属」という呪縛に囚われていたようです。
海外を含めていろいろな文献をあさってみましたが、Trimorus属では第1腹節(T1)に瘤状の突起(hump)があるという種には出会えませんでした。tukikuさんが撮影された種(やはりT1にhumpのようなものが見える気がします)も含め、近縁属のXenomerus属など、Teleashiniを広範に検討する必要があるようです。
またしても早とちりでお騒がせいたしました。このあたりの属の区別は、大顎が2歯か?3歯?かというような、細かい形態の検討も必要ですので、もしも可能であれば写真の追加をお願いします。
投稿: ひげぶと | 2011年12月29日 (木) 22時29分
ひげぶとさん、お手数おかけします。
同じ個体の別カットを調べてみたのですが、解像度が足りない上に正面像もありません。あまりお役には立たないと思いますがとりあえず拡大像を2枚追加しておきます。
Trimorusで検索していると、SIHN VAT RUNG VIETNAM というベトナム語のサイトでTrimorus cardanus の図が出てきて、それには上の写真のものに似た瘤状突起が描かれています。他の部分はかなり異なりますが。
投稿: おちゃたてむし | 2011年12月30日 (金) 08時52分
翅脈からはTrimorus属でけっこうです.たくさん種類がありますので,コブ状突起があっても驚かないでください.
投稿: くろばち | 2012年1月 4日 (水) 12時21分
わ、有難うございます。ご相談しようかと迷っておりました。
Masner(1980)には、第1腹節にコブ状突起を持つ属(国内産ではCalliscelio, Probaryconus, Caloteleiaなど)があちこちに載っていて、これが属の判別形質のひとつかと思ったものですから。それには(形質が多様なためでしょうか)Trimorusの図は示されず、また、国内記録種にもコブの記述は(たぶん)無いのが、戸惑いの元でした。今後ともよろしくお願いします。
投稿: ezo-aphid | 2012年1月 4日 (水) 13時16分
くろばちさん、こんばんは。
お正月早々にありがとうございます。
コブ状突起のような目立つ特徴は素人にはとても重要なものに思えたのですが、決め手は翅脈ですか。タイトルの属名から?を外しておきます。今年もよろしくお願いいたします。
ezo-aphidさん、こんばんは。
同じ属の中でコブがあったり無かったりというのはちょっと意外でした。属を判別するための形質として何が重要なのか、素人には見当がつきません。ともあれ、最初の見込みとおりtukikさんの撮られたものと同属ということでほっとしました。ありがとうございました。
投稿: おちゃたてむし | 2012年1月 4日 (水) 20時59分
おちゃたてむしさん、こんにちは。
くろばちさんのご指摘どおりですね。
以下のサイトにも、”T1 at times with anterior dorsal horn”と明記されていました。
http://zsi.gov.in/right_menu/IIS/blue1/Trimorus_Foerster_1856.htm
投稿: ひげぶと | 2012年1月 5日 (木) 14時47分
ひげぶとさん、おはようございます。
おかげさまで一件落着しました。同じタマゴクロバチ科に様々な形態が含まれていることに驚いています。
教えていただいたのはインドのサイトなんですね。日本にもこのような総合的なサイトがあればと思います。ありがとうございました。
投稿: おちゃたてむし | 2012年1月 5日 (木) 16時16分