ヒゲナガケンミジンコの一種
すでに2度ばかり登場していますが、ヒゲナガケンミジンコの一種です。
採集場所はいつも同じ、子供が入って遊べるくらいの浅い池です。寒い季節にも関わらず、観賞魚用の小さな網で何度か掬うとおびただしい数のケンミジンコが入ってきます。すべて同種のようです。
1枚目の写真をよく見ていただくと、長大な第一触角の片方が中ほどで太くなっている個体が混ざっているのがわかると思います。これがオスで、太くなるのは右側なのですが、上の写真中央の個体は裏返しになっています。
お腹のあたり(実は胸節)にいくつもくっついている平べったくて透明な物体は寄生虫のトリコディナの仲間です。(こちらに拡大写真があります。)尻尾の先の扇状に広がった部分は叉肢と呼ぶそうですが、微細な毛が密生していてきれいです。
この仲間は触角や肢の構造を真面目に顕微鏡で調べると属レベルまではわかりそうですが、今のところそこまでやっていないのでとりあえずヒゲナガケンミジンコの一種ということでご勘弁願います。
(2012年1月11日・明石公園 乙女池で採集)
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コメント
こんばんわ。
オスの右側第一触角が太くなるのは、カニのハサミのように求愛に役だつのでしょうか。それとも、単なるチカラコブで、人間でいうと右利きが多いようなもの、なんでしょうか。・・・・・・どっちも不正解のようですねー。
投稿: ezo-aphid | 2012年1月27日 (金) 22時13分
ezo-aphidさん、おはようございます。
図鑑にはオスの右第一触角は変形して「把握器」に変わる、とあるのでおそらく交尾行動に使われるのでしょうが、詳しいことはわかりません。海水で採集したカイアシ類の一種では雌雄が連なって泳ぎ回っていることがよくあって、少々の刺激では離れませんが、そのようなときに触角の膨らみが役立つのかも知れませんね。いずれにしても一見してわかるような左右非対称は昆虫では普通見られないので、奇異な感じがします。
投稿: おちゃたてむし | 2012年1月28日 (土) 06時42分