カタビロコバチ科の2種(キイロカタビロコバチとEurytoma sp. )(改題)
今頃の時期に葉裏や落ち葉の間でときどき目にするコバチです。すべてカタビロコバチ科の同一種だと考えていたのですが、最近BABAさんのブログに掲載されたキイロカタビロコバチの画像と見比べているうちに少なくとも2種が混在していることに気がつきました。
その1.
左の触角が切れていますが、これはBABAさんのところで紹介されたSycophila variegata (Curtis) キイロカタビロコバチと同じだと思います。前翅前縁の黒紋や、胸部下面に淡色の部分があることも共通しています。体長約2.5mmで、ヤツデの葉裏で見つけました。
その2.
これはアラカシの枝からぶら下がった枯れ葉の間から出てきました。体長は約3mmと前種よりやや大きく、体色が赤味を帯びていることの他に、前翅の黒紋や胸部下面の淡色部も見えません。BABAさんの記事への上條先生のコメントによれば前翅の前縁脈に沿った黒紋は Sycophila属の特徴であるとのことなので、一見非常によく似ていますがこれは別属ではないかと考えています。
(その1:2011年12月20日/その2:2011年12月27日・明石公園)
* 1月6日・追記とタイトル変更 *
ezo-aphid さんから、上條先生のコメントが届きました。その1.はやはりBABAさんの記事と同じキイロカタビロコバチ Sycophila variegata (Curtis)、その2.は別属の Eurytoma属の一種ということです。タイトルを「カタビロコバチ科の2種(?キイロカタビロコバチと不明種 )」から表記のように変更しました。
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コメント
お師匠さんに伺ってみました。その1はお見立てどおりの結果で、その2はEurytoma sp.とのことです。
このEurytoma属について調べてみると、世界で1000種以上の命名記載があり、それが整理されて700種ほどが認定されています。これほど多くの種がいては同定は難作業で、新種の認知も容易ではありませんねー。
投稿: ezo-aphid | 2012年1月 6日 (金) 16時22分
ezo-aphidさん、こんばんは。
やはり別属ですか。属が違っていてもこれだけよく似ているのに、Eurytoma属だけで700種とは・・・。それらをどうやって区別するのか、素人には想像もつきません。上條先生、ありがとうございました。タイトルを修正しておきます。
投稿: おちゃたてむし | 2012年1月 6日 (金) 20時02分