トビコバチ科?種
冬季の葉裏探しでよく見かけるものに、翅が透明で斑紋がなく、全身無地で黒っぽいと言うまことに地味なトビコバチがいます。体は多少とも金属光沢を帯びていますが他にこれと言って特徴もなく、どの個体も同じように見えていたのですが、撮った写真をよく見れば似たような種がいくつか混在しているようです。以前に出したものと同種と思われるものもありますが、比較のために最近撮ったものを並べてみました。
その1.
これはこのブログの2011.11.29の記事、またBABAさんのブログの2011.12.31および2012.1.27(触角の黄色い方)の記事とおそらく同種ではないかと思います。体長約1.6mm。アラカシの葉裏にいました。
(2012.1.12・明石公園)
その2.
胸部背面の形などその2.とよく似ていますが、触角がかなり異なります。胸部・腹部はより赤味が強く、脚の色も違うので別種と見てよいと思います。体長約1.2mm、落ち葉の間から出てきました。
(2011.12.31・明石公園)
その3.
これもまた胸部周りの形は先の2個体と非常によく似ていますが、触角はどちらとも異なるようです。このブログの2011.2.26の記事、またBABAさんの2012.1.27の記事(触角の黒い方)の個体とよく似ています。ヤツデの葉の裏で。体長約1.8mmです。
(2012.1.26・明石公園)
その4.
これもよく似ていますが、先の3個体の中胸楯板が割合滑らかで細かいちりめん状の皺が見えるだけなのに対して、こちらは明瞭な点刻に覆われていて、明らかに別種です。体長約1.8mm、ヤツデの葉裏です。
(2012.1.17・舞子墓園)
その5.
今回の5個体の中では最小で体長約1mm。BABAさんの2012.1.30の記事のものと同種かも知れません。
(2012.1.17・舞子墓園)
今のところ以上です。4.と5.はそれぞれ他とは別種ですが1.から3.までの3個体には同種の雌雄が含まれているかも知れません。こういう小型で地味なハチは野外でルーペを覗いたくらいではなかなか違いがわからず、すでに何度も撮った種だと思って見過ごしてしまうことが多いのですが、無精せずにこまめに撮っておいたほうが良さそうです。
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コメント
おはよううございます。
カリっとした描写に惚れ惚れしますね(^^)その3の正面顔は痺れさせて頂きました。美しい。
その2と、その4は、お目にかかった事は無いと思います。やっぱり現場で決めつけてスルーせずに、おちゃたてむしさんのおっしゃる通りマメさが必要ですね。
投稿: BABA | 2012年1月31日 (火) 10時24分
BABAさん、こんばんは。
とりあえず似たようなものをまとめてみたんですが、1/30付けのsyuichiさんのブログにも同じような特徴を持つ種が掲載されていますね。触角の長さや脚の色など見るとこれまた別種のようです。トビコバチ科というと翅に綺麗な斑紋があったりして派手な感じの種も多いですが、こんな地味な奴も結構面白くなってきました。
投稿: おちゃたてむし | 2012年1月31日 (火) 20時25分
こんばんは。
私もトビコバチの仲間と思われる・・・・あっ!見ていただいたのですね!ありがとうございます。
写り方のせいか小楯板の盛り上がりが強く見えて御伺いしようと思っておりました。
皆様の貴重な写真と文字をは活かせるのは、まだ先となりそうですが・・・意味の判るよう学んで行きたいと思っています。
あっ・・2011・2・11の題名がタバチトビコバチ(改題)となっていました。
投稿: syuichi | 2012年1月31日 (火) 22時52分
syuichiさん、おはようございます。
私もいろんな方からに教えていただいて少し見分けがつくようになったばかりですので、(詳しい方からのコメントは別にして)記事の内容はあまりあてにしないで下さい。
タ「マ」バチトビコバチのタイトルの件、ご指摘ありがとうございました。実はその前にもミスをして、ezo-aphidさんに教えられて修正していたはずなのに何でこうなるのか、年ですかね。ありがとうございました。
投稿: おちゃたてむし | 2012年2月 1日 (水) 06時38分