ナシミドリオオアブラムシの孵化・羽化・産卵
このあたりでは歩道やちょっとした公園などいたるところにシャリンバイが植えられていて、そのシャリンバイの葉をめくれば必ずと言っていいほどナシミドリオオアブラムシがついています。この時期としては暖かい日でしたが、同じ場所で孵化や羽化、産卵までが同時進行しているとは驚きました。
孵化してきた1齢幼虫です。卵殻は柔らかく、体が抜け出るはしから濡れたポリ袋のようにぺしゃんこになってしまいます。他に卵は多数見ましたが、孵化中のものは他に1匹だけでした。
産卵中のメスは他にも一匹見かけました。また多数見られた卵も産卵後まだ日が経っていないと思われる半透明のものがほとんどでした。
(2012年1月10日・神戸市中央区)
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コメント
どうやら、私には理解困難な現象がおきてるようですね。BABAさんの2011.12.30も同じ現象があり、そのおりにも書きましたが、「休眠卵は成熟黒化した後、必要な低温期間を経てから孵化」します。この孵化幼虫のお尻の半透明物が卵殻だとすると、黒化しないまま孵化したことになり、これは非休眠卵ということになります(・・・・・それなら卵で産まずに、胎生してもいいように思うのですが)。
ところで、シャリンバイには黒化しない卵の方が普通にあり、黒化した卵は稀にしかない、のでしょうか? このアブラムシは通常の越冬法ではないのかもしれません。
投稿: ezo-aphid | 2012年1月21日 (土) 18時10分
ezo-aphidさん、こんばんは。
ナシミドリオオアブラムシの孵化は一昨年3月はじめにも撮って掲載していたのですが(2010.3.10の記事)、脱ぎ捨てられた卵殻の色の違いに気がつきませんでした。その時の写真でもわかりますが3月頃にシャリンバイ上で見る卵は黒化(灰緑色)しているのが普通のようです。今回の撮影時に見た卵はほとんど黒化していなかったように思いますが、すべてがそうだったかどうかはっきりしません。仕事場の近くなので、明日にでももう一度確認してきます。
投稿: おちゃたてむし | 2012年1月21日 (土) 20時42分
ご紹介の2年前の場に戻って眺めたところ、脱皮中の殻は薄墨色ですが、あたりの卵はどれも(産卵後2カ月以上経ているはずなのに)緑色半透明でした。また、ほかのサイトでも黒化した卵は見つけられませんでした。となると、このアブラムシの卵が黒化するというのは、私の「予断+思いこみ」だと思います。産卵時期とその後の卵色の変化、卵期間との関係を改めてちゃんと調べるべきですね、ハンセイです。
投稿: ezo-aphid | 2012年1月21日 (土) 22時00分
ezo-aphidさん、おはようございます。
2年前の写真の卵ですが、色はあまり黒っぽくはないものの産みたての卵に比べると明らかに色が濃くなり透明感も失われていて、私はこの状態が「黒化」だと思っていました。産卵後どのくらいの期間でこうなるのか調べたことはありませんが、3月頃に見かけるのは普通この状態だったと思います。いつもながら断片的な観察でそれ以上のことがわかりません。同じ個体群で継続的に観察する必要がありますね。ありがとうございました。
投稿: おちゃたてむし | 2012年1月22日 (日) 06時45分
今日(1月22日)、同じ場所でシャリンバイの卵を調べてきました。
かなり色が濃くなって不透明のものもあれば、まだ産みたてのように半透明のものもありましたが、孵化途中のものは見つかりませんでした。忘れなければ、春になるまで時々覗いてみたいと思います。
投稿: おちゃたてむし | 2012年1月22日 (日) 20時04分
おちゃたてさん、わざわざのお知らせありがとうございます。
休眠しない卵を産むことが判っただけで充分ですので、どうぞお気遣いなく。休眠については多くのパターンを持ってる可能性があるので、産卵日ごとに孵化日を追跡しないと、解析不能になる恐れがあります。この調査はかなり面倒なので、専門のムシ屋さんの課題として、残しておいてはいかがかと・・・。
投稿: ezo-aphid | 2012年1月22日 (日) 20時59分
ezo-aphidさん、こんばんは。
確かに、自宅にシャリンバイの鉢植えでも持ち込まないことには手に負えそうにありません。こんな普通種でも生活史は複雑なんですね。
投稿: おちゃたてむし | 2012年1月22日 (日) 21時59分