ニセケバエ科の一種(?Scatopse sp.)
ツバキの葉裏にくっついていた平べったい感じのハエです。
これまでに見た憶えのあるものに比べると体のわりにずいぶん翅が大きい気がします。イスノキの葉につくヤノイスアブラムシを思わせるバランスですが、ニセケバエ科の一種だと思います。頭から翅端まで約4mm、腹端がよく見えないのですが体長は2.5mmくらいのようです。
(2012年1月27日・明石公園)
*2月9日・追記とタイトル修正 *
ezo-aphidさんからいただいたコメントによるとこのニセケバエ科は国内では2種しか記録がないそうです。写真の種はそのうちのクロツヤニセケバエScatopse notataに似ているということなので、タイトルには?つきで属名を加えておきます。詳しくはコメントを。
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コメント
日本からは、この科からはたった2種しか記録がありません。画像検索して見たところ、そのひとつ、北半球に広く分布するクロツヤニセケバエ、Scatopse notataに似てる、と思いました。しかし、どうも翅脈の形(とくにRs(R4+5)の前縁あたり)が違って見えます。「田中川の・・・、2009.04.01」(とくに2枚目の画像)は本物っぽいのですが。
田中川さんのブログにあるように、この科の国内調査が不十分のようなので、これは「?Scatopse sp.」としておくのがいいように思います。
投稿: ezo-aphid | 2012年2月 9日 (木) 11時32分
ezo-aphidさん、こんばんは。
なんと、たったの2種ですか。この仲間のハエはtukikuiさんの2011.10.30の記事と同じように小型の種が多数集まっているのを何度か見ていますが、今回のはそれより大きいようです。いくつかの海外サイトにあるScatopse notataの翅脈を見て気づいたのは、CuA2の曲がり具合にかなり差があるようだということです。この点だけで見ると「田井川の生き物調査隊」の1枚目の翅脈はtukikuiさんの撮られた種に近く、2枚目は上の写真に近いように見えます。とりあえずお勧めにしたがって、タイトルには「?Scatopse sp.」を加えておきます。ありがとうございました。
投稿: おちゃたてむし | 2012年2月 9日 (木) 17時32分
なーるほど、注目点が違うのですね。翅脈の重要ポイントを検索表で探すと、CuA2の曲がり方、のほかに前縁(C)のRs脈およびR1脈付着位置、M1脈の分岐部の位置、などのようです。そうしてみると、どれもこれも違って見えてきます。
Scatopse属(MNDの313頁)の特徴のひとつに、M1脈の分岐直後に(?余剰)横脈があることですが、これは「田中川さんの2枚目」には見えています。改めてこの写真を見ると、どうもその気配が無く、翅に透明感が無い(?微毛が多い)のも気になります。 どうやら、また、はやとちりをやっちゃったようですなぁ。 「???Scatopse sp.」!
投稿: ezo-aphid | 2012年2月 9日 (木) 18時50分
ezo-aphidさん、
「M1脈の分岐直後の横脈」には全く気づきませんでした。「田井川の・・・」の2枚目には確かに認められますね。MNDは一応覗いてみたのですが例によって絵がないとわからないので、Scatopseの翅脈図がないことを確かめただけでした。タイトルの属名はもともと?つきですから、さしあたりこのままにしておきます。ご検討ありがとうございます。
投稿: おちゃたてむし | 2012年2月 9日 (木) 19時58分
こんばんは、
去年の暮れにヤツデの葉の裏で撮ったのが、これと多分同じものだと思いますが、1枚だけしか撮れなかったし写りも良くないので日の目を見てません。
大きさ的にも約3.8mmだし、見た感じはソックリです。
おかげで、ニセケバエ科の仲間と言うことが分かったので良かったです。
投稿: そら | 2012年2月 9日 (木) 21時21分
そらさん、おはようございます。
やはりそちらでも越冬しているんですね。
それにしても国内の記録が2種だけとは驚きました。そのうち属だけでも確定すればいいんですが。
葉裏探しのシーズンももうしばらくですね。
投稿: おちゃたてむし | 2012年2月10日 (金) 06時27分