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2012年2月23日 (木)

タマバチヤドリトビコバチ(タマバチトビコバチ)の雌雄?(改題)

4年半使っていたパソコンが故障して、その後始末に追われてしばらく更新が出来ませんでした。一週間ぶりの記事はやはりコバチです。

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トベラの葉の裏についたアブラムシのマミーの抜け殻の間に、黄色いコバチがいました。このマミーから羽化して来たアブラムシの寄生バチかと最初は思ったのですが、どうやら関係なさそうです。

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これは北隆館にキイロクヌギトビコバチ Cynipencyrtus flavus Ishii として掲載されている種だと思います。同じ図鑑にはこれとよく似て黒褐色の体色をしたクヌギトビコバチ C. bicolor Ishii という種も出ていますが、ezo-aphid さんに教えていただいたところではこの種は後に前者と同種とされたとのこと(昨年のタマバチトビコバチの記事へのコメント)。更にその後この Cynipencyrtus flavus Ishii は所属がトビコバチ科 Encyrtidae から マメトビコバチ科 Tanaostigmatidae に移り和名もタマバチトビコバチに変更されたとのことです(クロマルカイガラトビコバチの記事へのコメント)。タマバチ類に寄生する種だということなので、1枚目に写っているアブラムシの残骸とはやはり関係無いようです。

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同じ個体の顔面です。触角の先が尖っているのがオスだそうですが、これはどっちでしょうか。

(2012.02.09・明石公園)

北隆館の図鑑のクヌギトビコバチ C. bicolor Ishii に相当する褐色の個体は昨年の記事にも出していますが、この冬にも何度か撮っているので比較のために載せておきます。

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確かに体色以外の違いはないように見えます。触角先端の形は、上の個体とは角度が違うので比べにくいですね。

(2011.12.27・明石公園)

*2012.02.24・追記とタイトル変更 *

ezo-aphid さんがさらに詳しく調べて下さったところ、上の2個体の体色の違いは雌雄の差である可能性が出てきました。最初の黄色い方がオスで次の褐色部分が大きい方がメスであろうということです。また、北隆館の大図鑑の新訂版では和名は「タマバチ”ヤドリ”トビコバチ」とされていて、科名の表記もタマバチヤドリトビコバチ科となっているそうです。詳しくはコメントをご覧ください。タイトルの「タマバチトビコバチ(体色変異)」を表記のように改めました。

 

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膜翅目」カテゴリの記事

コメント

こんばんは。
またまた、新たなトビコバチですか。黄色1色で素敵です。体長は1.1mmほどでしょうか?小さそうですね。気温が上がって来て小さなハチも随分、動きが良くなって撮りにくくなって来たように思います。

投稿: BABA | 2012年2月23日 (木) 23時40分

BABAさん、こんばんは。
記事に書き忘れましたが、体調は1.7mmほどあります。
毎年冬の間にたくさんのコバチ類を撮りますが、これから暖かくなってその内の一種でも二種でも産卵や羽化などの場面を撮りたいものですね。

投稿: おちゃたてむし | 2012年2月23日 (木) 23時49分

ご無事に復帰、おめでとうございま~す。 たまの休息??も、いいことなのでは・・・・・。
北隆館「大図鑑」の新訂版(2008年、東浦祥光さん改訂)をあらためて確認してきました。それによると、タマバチ”ヤドリ”トビコバチは雌雄の色彩2型が顕著な種で、雄は全身黄色、雌は腹部の大部分が黒褐色、とのことです。つまり、旧版の137-11は雄、137-12は雌ということで、この図はそのまま新版にも再掲されています。図をルーペで拡大して見ると、11では触角先端が斜めに切断されたように尖っていることが判り、ここの黄色個体の形と合ってると思います。褐色の個体は、腹節の濃色節が図とは違っていますが、たぶんこの雌なのでしょう。 ・・・・・あらためて原記載を見たところ、flavusには雌と雄が、bicolorには雌のみが記されていました。ということは、この石井さんの観察を加味すれば、雌には全身黄色と部分褐色という変異がある(雄は全身黄色のみ)、ということになりますが・・・・・。
困ったことに和名が落ち着いてなくて、新版の所属もタマバチヤドリトビコバチ科となっていました。これまでは渡辺 恭平さんのサイトにならって、マメトビコバチ科タマバチトビコバチとしてきましたが・・・・・・、どうしましょうねー。

投稿: ezo-aphid | 2012年2月24日 (金) 14時42分

ezo-aphidさん、こんにちは。
たまの休息、なら良かったのですが・・・。マザーボードの交換にOSの再インストールという羽目になって寝不足が続きました。
タマバチ”ヤドリ”トビコバチを巡る事情はなかなか複雑なんですね。私の手元にある「大図鑑」は古本屋で買った昭和56年版なんですが、ezo-aphidさんに倣ってルーペで覗くと確かに黄色い方の触角の先は斜めにカットされたように見えるので、私の撮った黄色い方もこのオスの可能性が高そうですね。一方褐色タイプの写真は触角先端の形がいまひとつはっきりしませんが、黄色いのに比べるとやや細く先も丸いように見えるので、おっしゃるようにこれがおそらくメスなのでしょう。
表題については、和名は括弧つきで二つ並べるとして、「体色変異」は「雌雄?」とでも変えないといけませんね。いつもありがとうございます。

投稿: おちゃたてむし | 2012年2月24日 (金) 16時29分

 こんばんは。

 えっ・・・ヤドリが入ったのですか?
あっ、そんな事より復旧手間がかかって大変でしたね。
マザーボード交換・OS再インストール・・データが無事でしたら、それが何より。

 触角の先の形状と腹の色が雌雄の区別なんですか。
一つ一つ拾い集めるようにしてコバチの事を覚えています。

早速、手持ちのタマバチヤドリトビコバチの画像を確かめてみます。

 それと、最後まで判らなかった脚長コバチをUPしました。
宜しければご覧ください。

投稿: syuichi | 2012年2月24日 (金) 20時19分

syuichiさん、こんばんは。
虫の和名はたまに変わったり二つの和名が流通している種もありますから、あまり気にすることもないでしょうね。
おかげさまでパソコンの画像データは無事でした。でも疲れますね。
脚長コバチ、拝見しました。ノミコバチ科のようですね。こちらからもコメント入れさせていただきます。

投稿: おちゃたてむし | 2012年2月24日 (金) 21時35分

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