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2012年2月26日 (日)

ハラビロクロバチ科の2種(Telenomus acrobates & Telenomus sp)(改題)

一見葉裏についたゴミのように見えましたが、4匹のハチでした。

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前の記事のヒメコバチと同じ、マテバシイのひこばえです。

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体長0.8から0.9mmくらいの微小なハチで、タマゴクロバチ亜科のTelenomus属だと思います。以前掲載してひげぶとさんにTelenomus euproctidis
と同定していただいたものとよく似ていますが、今回の種は触角の節数が11節、前回のT.euproctidis(メス)は10節と異なります。ひげぶとさんのご教示によれば日本産Telenomusの多くがメス11節・オス12節、中にメス10節・オス12節というのもいくつかあるということなので、今回のものはTelenomus属の別種のメスではないかと思っています。

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最後に顔面です。何度もストロボを浴びて歩き始めましたが、周囲に張り巡らされているクモ(?)の糸に引っかかってなかなか進めません。葉裏で越冬している小型のハチやハエはこういう場所を好むものが多いようですが、外敵や寄生者を阻む効果があるんでしょうか。

(2012.02.16・学が丘北公園)

* 2012.02.27・追記とタイトル変更 *

ひげぶとさんより、写真の種はTelenomus acrobates Giard(ハラビロクロバチ科・タマゴクロバチ亜科)であろうとのご教示をいただきました。Hepotaさんが2011.04.11に掲載されているものと同種ということです。ひげぶとさんのコメントに詳細な判別点が列挙されていますのでご参照下さい。タイトルに種名を入れました。

* 2012.02.27・追記とタイトル変更 *

ひげぶとさんから、1枚目の画像には二つの種が含まれているのではないかとのご指摘をいただきました。そして2枚目以下の拡大像が1枚目のどの個体に当たるかが不明なので、タイトルは元に戻すのが妥当であろうとのことです。ご助言にしたがって、表題を「ハラビロクロバチ科の一種(Telenomus sp.)」に戻しました。

* 2012.03.04・追記とタイトル変更 *

ひげぶとさんから、1枚目左端と一番上の個体、及び2枚目・3枚目の個体はTelenomus acrobates Giardと断定して良いだろうと、また1枚目の他の2個体はやはり別種であろうとのご指摘をいただきました。詳しくはコメントをご覧下さい。タイトルを再度変更しました。

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コメント

おちゃたてむし様、こんばんは。

写真の印象は若干異なって見えますが、Hepotaさんの長坂蛾庭でも取り上げられているTelenomus acrobates Giardだと思います。
Ryuさんと平島先生のKeyから、以下のキャラクターを追ってTelenomus acrobates Giardに至りました。

01.触角は11節。
02.体長は0.6mmよりも長い。
03.触角の球桿部は6節ではない。
04.頭部を上から見ると複眼の後ろが線状に狭まることはない。
05.腹部の長さは、頭部と胸部を合わせた長さよりも短い。
06.胸部を横から見ると上下方向に偏圧されることはない。
07.触角の色彩は一様に暗色で、暗色と黄色との2色で構成されることはない。
08.触角の第2節(Pedicel)の長さは幅のほぼ2倍で3倍はない。
09.触角の第3節(Funicle=鞭節の第1節)は幅よりも明らかに長い。
10.頭部の正面観では複眼の間隔は頭幅の半分程度。
11.触角の球桿部は4節。
12.上から見ると頭部の幅は胸部の幅よりも広い。
13.脚はクリアな黄色ではない。

投稿: ひげぶと | 2012年2月26日 (日) 23時25分

ひげぶとさん、おはようございます。
大変詳しいご説明をありがとうございます。一つ一つ写真と照らし合わせながら読ませていただきました。
Hepotaさんの撮られたものは拝見していて、似ていると思いながらも自信がありませんでしたが、これだけ判別ポイントを挙げていただくと納得できます。
タイトルに種名を入れておきます。これからもよろしくお願いします。

投稿: おちゃたてむし | 2012年2月27日 (月) 06時47分

おちゃたてむしさん、こんにちは。

ページを見直していて、この写真には2種のハチが混在していることに気づきました。

 1枚目左端と一番上の個体と、残りの個体とは種が違っているようです。具体的には、後頭部の形態や脚の色です。4枚目と5枚目は、複眼内側の表面構造(顔の上下によって印刻の違いがある場合もあるので断定は出来ませんが)から別種と考えることも出来ます。
クローズアップされている個体が、1枚目の写真のどの個体なのかが判然としませんので、昨日お送りした写真同定の結果にしたがった改題は元に戻していただくのが妥当のようです。
 軽率な判断をお知らせし、ご迷惑をおかけしました。

投稿: ひげぶと | 2012年2月27日 (月) 13時01分

ひげぶとさん、こんばんは。
以前にご覧いただいたGryon属とTrissolcus属の集団(2011.12.20の記事)の経験もありましたので、今回も2種以上の種が混在している可能性も考えたのですが、複数の画像を拡大して見た結果全て同一種だろうと判断していました。1枚目の4個体で後頭部の形(エッジが立っているか、丸みを帯びているか)が異なるように見えるのは頭の角度と光線の具合によるものではないかと思います。
ただ2枚目と3枚目、そして4枚目と5枚目はそれぞれ同じ個体で間違いありませんが、それが1枚目のどれに当たるのかはわかりません。さらに全部の個体の特徴を比較できる画像もないので、やはり複数種が混じっている可能性は残ると思います。お勧めにしたがって表題は元のTelenomus sp.に戻しておきます。
いつものことながら、詳しくご検討いただいてありがとうございます。また何か判りましたらご教示お願いします。

投稿: おちゃたてむし | 2012年2月27日 (月) 21時14分

おちゃたてむしさん、おはようございます。
 1枚目左端と一番上の個体と、2枚目、3枚目の写真は同じ種で、Telenomus acrobates Giardと断定して良さそうです。写真をしつこく検討した結果、2枚目と3枚目の写真ではじめにお知らせした13項目が満足されますね。
 他の2個体は、頭の向きでエッジが立っているように見えるのではなく実際にエッジがあると感じます。別種と考える決定的なポイントは脚の色彩です。

投稿: ひげぶと | 2012年3月 4日 (日) 08時48分

ひげぶとさん、こんばんは。
不鮮明な画像を粘り強くご検討いただき恐縮です。
早速タイトルに反映させていただきます。
ありがとうございました。

投稿: おちゃたてむし | 2012年3月 4日 (日) 19時57分

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