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2012年3月30日 (金)

ハエヤドリクロバチ科の一種(?Cinetus sp.)

翅を広げてアラカシの葉裏にくっついた姿を見てすでに死んでいるのかと思いましたが、立派に生きていました。3日前に続いてハエヤドリクロバチの一種です。

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こんな姿勢で葉裏にとまっているのはヒメバチなどでも目にしますが、どんな意味があるんでしょうか。そっくり返った体を伸ばせば体長3mmくらいです。

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こんな顔です。

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しつこく撮っていると翅を閉じてしまいました。胸部に見られる黄色い粒ははじめ花粉塊でも付着しているのかと思ったのですが、この写真を見るとちゃんと左右対称に付いていることがわかります。何なんでしょうか。
翅脈を見るとこれも3日前の記事の種と同じBelytinaeのようなので、ezo-aphidさんのコメントにあった"The Diapriidae"の
同亜科の翅脈図を見てみました。その結果翅脈の形や長さの比からCinetus属と見当をつけたのですがどうでしょうか。ただし以前そらさんのブログに掲載されたAclista属の記事へのkurobachiさんのコメントによれば、同じような形のハエヤドリクロバチの中で大アゴが鎌状のものはAclista属だそうです。3枚目の顔のアップを見ればそんなふうに見えなくもありません。

(2012.03.27・奥須磨公園)

* 2012.03.31・画像追加 *

ezo-aphidさんのコメントにあるように、写真の種をCinetus属とするには疑問が出てきました。それに関連して胸部を拡大した画像を下に追加します。詳しくはコメントを参照して下さい。

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膜翅目」カテゴリの記事

コメント

胸部に見られる黄色い粒、というのはそらさん(2011.01.18)のAclista雌、BABAさん(2012.03.27)の?Aclista雌にも見られます。ここは凹みのはずなので毛塊(?)があるのかもしれません(想像です、・・・・・そういう説明を見たことはありません)。
Aclista属の口器と翅脈については、ネットで「 Aclista Macek 」で検索すると2報文に多数の種について図が見られます。口器はさまざまで、「この画像もあり」のようですが、翅脈は違ってると思います。
翅脈のうち、postmarginalisが三角部より先に長く伸びている点が気になります。Cinetus属では、胸部の溝(notauli)が直線ではなく、腹部側に向かって最後に外曲する、となっています。これはひょっとしてLeptorhaptus属なのかなぁ、と思うのですが判りません、宿題ですね。
検索表をひけない理由は、雌雄の判別がしにくいことがあります。たとえば、そらさん(2011.11.29)の個体がいい例になります。この話は長くなりそうなので、いずれまたにしましょう。

投稿: ezo-aphid | 2012年3月31日 (土) 19時48分

ezo-aphidさん、
もう一度元画像を拡大して詳しく見てみました。
胸部の粒は半透明で光沢があり、脂肪か何かが固まったように見えます。毛塊ではなさそうです。翅脈の"postmarginalis"と前縁との区別をつけていなくて、この脈が三角部より先に長く伸びているということには気付きませんでした。とすればCinetus属の線はかなり怪しくなりますね。ただ胸部の溝が腹部側に向かって最後に外曲するという点は画像から確認できます。黄色い粒も含めて、拡大画像を追加しておきますのでご覧下さい。

投稿: おちゃたてむし | 2012年3月31日 (土) 22時20分

拡大画像をありがとうございます。
なるほど、胸部の粒は液状の粘質物が固まったように見えますねー。以下にお知らせする写真にも同じ部分に塊が見えますが、こちらは何かしら毛っぽくの見えます。いったい何でしょう、雌だけにあるものなら交尾行動に関係する器官かも・・・・。 
「The diapriidae」サイトのIMAGE3頁下段にCinetusの胸部が載っていますので、(中段のBelytaと比較しつつ)拡大して見て下さい。notauliが横線の直前でわずかに外曲するのが判ります。
 

投稿: ezo-aphid | 2012年4月 1日 (日) 19時41分

ezo-aphidさん、
教えていただいた写真を見れば、確かに毛の束のように見えますね。場所も同じですし、私の写真ももっと細部を解像していればこんなふうに見えるのかも知れません。
CinetusとBelytaの胸部の縦溝の違いも写真からよく分かります。私には十分活用することが出来ませんが、こういう細部を鮮明な画像で見られるのは嬉しいですね。

投稿: おちゃたてむし | 2012年4月 1日 (日) 22時38分

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