トビコバチ科の一種(Microterys sp.)
オレンジ色のきれいなトビコバチです。以前の記事に出したMicroterys属と同じだと思います。アラカシの葉裏にいました。
前回の記事ではezo-aphidさんがいろいろ調べて下さったものの種名の確定にはいたらなかったので、今回は採集して深度合成撮影を試みました。
この画像で見ると触角の第4~第6繋節が白色であることや柄節の下面に膨らみがあることはルビーキヤドリトビコバチMicroterys speciosusの記載(前回の記事のezo-aphidさんのコメント)と一致しますが、やはり第1繋節は梗節より長くは見えません。やはり今回もMicroterys sp.としておきます。
話は変わりますが、上の画像では標本の周囲に墨流しでもしたような模様が出ています。レタッチで消せば済むのですが手間がかかるのでそのままにしています。同じように撮影しても出たり出なかったりで、原因が分かりません。使用ソフトはCombineZPです。
(2012.03.19・明石公園)
* 2012.03.25・写真差し替え *
画像合成時に出る縞模様は使う枚数を減らせば軽減するようなので、間引きで枚数を減らして合成し直した画像に差し替えました。まだ少し残っていますが、枚数を減らしても画像の精度は変わらず、これまで無駄な時間をかけていたわけです。精度を落とさない範囲でなるべく少ない枚数で合成したほうが結果は良いようです。
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コメント
前回記事のコメントを読み、rufofulvus Ishii(第5・6繋節が白色!!)が有力候補としたのは間違い、ということに気づきました。
国内記録にあるMicroterys属20種のうち、この翅色で体が黄色なのは3種のみなので、わりと普通に見られるヒラタカイガラキイロトビコバチM. nietneri Motsch.(=flavus Howard)のように思えてきました。ただし、Howard(1881)の原記載に、梗節の長さは幅の1.5倍、第1・2腹節の側面に褐色斑がある、という点がひっかかりますが。
投稿: ezo-aphid | 2012年3月24日 (土) 11時35分
ezo-aphidさん、こんばんは。
ヒラタカイガラは大図鑑にも出ていますね。腹部側面の褐色斑も描かれています。上の深度合成写真の方は、冷凍庫に放り込んだせいか腹部が萎んでしまってよく確認できませんが、2枚目の写真を見ると褐色斑の位置が確かにちょっと違いますね。また大図鑑の図では小楯板の周囲にも褐色部があるように見えます。属には間違いがないようなので、とりあえずタイトルはこのままにしておきます。ありがとうございました。
投稿: おちゃたてむし | 2012年3月24日 (土) 23時26分