コナジラミの一種と脱出に失敗した寄生バチ
クチナシの葉裏で見つけた小さな蛹です。
長さは0.7mmくらいで、はじめハモグリバエかと思ったのですが周りに穿孔跡がありません。さては寄生を受けたコナジラミか、と思い当たってHepotaさんのところを探してみれば、「ヤマモモコナジラミらしき幼虫に寄生していたハチ Encarsia?」という記事によく似た蛹の写真がありました。また同じHepotaさんが最近公開された「コナジラミ写真集」では多数の美しい写真とともにそれぞれの種のホストのリストも掲載されていて、ヤマモモコナジラミの欄にはクチナシと同じアカネ科の植物も挙げられています。ただ上の写真の蛹と同じ木の葉で見つかったコナジラミはミカンコナジラミばかりで、また写真を比較してもHepotaさんの「ヤマモモ」とはちょっと違うように見えるので、これは「ミカン」の方なのかも知れません。
別の葉で、脱出に失敗して死んだと思われるハチの遺骸が見つかりました。先に挙げたHepotaさんの記事では無事出てきたハチのきれいな写真が掲載されていますが、こちらは何らかの理由で脱出しきれなかったのでしょう。干からびかけた複眼が恨めしげです。
(2012.02.28・神戸市中央区)
* 2012.03.11・追記と写真追加 *
Hepotaさんからのご指摘でわかったのですが、上の写真ではどちらも寄生バチの頭がコナジラミのお尻の方を向いていて、これはHepotaさんの撮影されたヤマモモコナジラミやユズリハのコナジラミの例とは逆向きです。そこで上の写真と同時に撮った寄生バチの脱出後と思われる抜け殻を調べて見ると、最初の写真とは反対に(Hepotaさんの写真と同じく)コナジラミの頭側に脱出口が開いています。抜け殻そのものが最初のものより大きいので、ひょっとしたら別種かも知れませんが、下に画像を追加しておきます。
ちょっと分かりにくい写真ですが、コナジラミの抜け殻の頭は画面下を向いていて、そちらに近い方に穴が開いています。抜け殻の長さは1.1mmほどあります。
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コメント
こんにちは。宣伝ありがとうございます。
やはりこういうことがあるんですね。気の短いヤツだったのでしょうか。
コナジラミの方は見たことの無い種類のような気がしますがよくわかりません。寄生されていないのが見つかったらお願いします。
コナジラミのお尻に寄生蜂の頭がきているようですが、これは初めて見ました。
投稿: Hepota | 2012年3月11日 (日) 18時32分
Hepotaさん、こんばんは。
ルーペで覗いた時は稀なチャンスに巡り合えたのかとちょっと興奮しましたが、残念ながら死骸でした。
ハチの頭の向きは全く気が付きませんでしたが、Hepotaさんのヤマモモの写真と比べるとなるほど逆向きですね。あらためて同時に撮った抜け殻の写真を調べると、これはHepotaさんの写真と同様、寄生バチの脱出口がコナジラミの頭側にあります。ただ、最初に出したものに比べると蛹殻がかなり大きいので、寄主も寄生者も別種なのかも知れません。参考に写真を追加しておきます。
投稿: おちゃたてむし | 2012年3月11日 (日) 20時16分