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2012年4月26日 (木)

アオモンツノカメムシの孵化

冬の間越冬昆虫を探してヤツデの葉を捲っていると、きれいな淡緑色の卵塊が時々見つかります。アオモンツノカメムシの卵です。

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2年前にも同じような場面を記事にしていますが、ちょうど孵化が始まっていました。

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孵化直前の卵は卵殻を透して幼虫の複眼や体の形がよく見えます。

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別の葉でちょうど孵化していた幼虫です。
このカメムシはヤツデ以外にも同じウコギ科のカクレミノやキヅタで見ていますが、それぞれ孵化や変態の時期がずれているようで、(こちらの記事に詳しく書いていますが)それらの関係がどうなっているのかよく分かりません。ここで孵化してきた幼虫はいつ頃何処で産卵するんでしょうか。

(2012.04.18・姫路市 広峰山)

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半翅目」カテゴリの記事

コメント

面白そうな話ですねー。アオモンツノカメムシには「酷似した別種が本州に分布する」とカメムシ図鑑にあったので、カメムシBBSで過去ログを調べてみました。二つの文献が紹介されています。「ツノカメムシ科の寄主植物(ciniiで検索)」に、アオモンを含むElasmostethus属8種の寄主植物が載っています。それには、カクレミノはアオモンの寄主として記録がありません。こいつが別種(新種?)の可能性があるかと思います。「Japanese Elasmostethus」でネット検索すると「TvE416 Yamamoto.qxp」のpdfで同属8種の雌雄尾端の図を見られます。判別はなかなか微妙なようですが、本物のアオモンと図を見くらべれば判るかもしれませんね。難しそうなら、小樽博物館の山本さんに成虫を送ってしまう方が喜んで見てもらえるように思います。

投稿: ezo-aphid | 2012年4月26日 (木) 11時31分

ezo-aphidさん、こんばんは。
いつものことながら即座に資料を探し出していただいてありがとうございます。
カクレミノのとヤツデのとが別種という可能性は全く頭にありませんでした。同じウコギ科なので特に不思議にも思っていませんでしたが、確かに教えていただいた資料にも手元の図鑑にもカクレミノは挙がっていませんね。別種であれば生活サイクルの時期がずれていることに不思議はありません。そうしてみると我が家の周辺ではカクレミノにつく種が圧倒的に多いと言うのも面白いと思います。ただ、カクレミノの種は9月頃に産卵、冬に入るまでには成虫になってそのまま越冬するようなのですが、それらの成虫が翌年の9月まで産卵を控えているというのはちょっと考えにくい気がしています。
雌雄の尾端の図はどの種もよく似ていて、たとえ採集して調べても見分ける自信はありませんが、成虫が出る季節になれば挑戦してみたいと思います。

投稿: おちゃたてむし | 2012年4月26日 (木) 20時46分

私のブログにアオモンツノカメムシを載せようとして、いろいろ調べているうちに、オチャタテムシさんの一連のアオモンツノカメムシ?の記事に出会いました。
春にヤツデ、秋にカクレミノというのは、カクレミノもヤツデも同じウコギ科ですし、ヤツデの実は春に熟し、カクレミノの実は晩秋に熟しますから、2化性の同一種が実から吸汁するためとは考えられないでしょうか。
私のブログにもそのことを書かせていただきました。

投稿: そよかぜ | 2014年1月15日 (水) 00時22分

そよかぜさん、こんばんは。
先のコメントにも書いたように成虫で越冬した雌が翌年9月まで産卵を控えているというのは確かに不自然な気がして、私も年2化という可能性は考えてみました。しかし一番足繁く通っている明石公園の例を挙げれば、例年9月にあちこちのカクレミノで多数の卵や幼虫が見られるのに対してヤツデではこれまでに1、2度しか見ていないので(キヅタでは一度も見ていません)、少なくとも同じ場所で年2世代を繰り返しているということは無いと思います。越冬明けの成虫が一斉に別の場所に移動するということも考えられるかも知れませんが、そもそも私の虫撮りの範囲ではこのカメムシをカクレミノ上で見る数に対してヤツデ上で見るものは圧倒的に少ないのです。
それらを考え合わせると、(同種か否かは別として)カクレミノの個体群とヤツデの個体群は独立した生活サイクルを持っているのか、それともそのサイクルには柔軟性があって時々年2化を行う個体が出てくるのか、のどちらかではないかと思うのですが、なにぶん素人の気まぐれな観察なのでデータも少なく、とんでもない見落としがあるかも知れません。まずはこれらのアオモンツノカメムシ(?)がすべて同種なのかどうかを調べるのが先決なのですが、ezo-aphidさんに勧められながらまだ手を付けられずにいる次第です。

投稿: おちゃたてむし | 2014年1月15日 (水) 20時54分

もちろん同種なのかどうかの調査が大切ですが、カクレミノで羽化した成虫はカクレミノで越冬しているのでしょうか。
カクレミノで羽化した成虫が分散する過程で、花のにおいに惹かれてか、樹液の流れの活発なヤツデに移り、そこでそのまま越冬するとは考えられないでしょうか。
私自身が確かめればいいのですが、私の近くでは、実のなるような大きなカクレミノは、住宅地の庭に植えられてはいても、林の中には見当たらず、残念ながらカクレミノにいるアオモンツノカメムシ(?)も確認できません。

投稿: そよかぜ | 2014年1月15日 (水) 22時27分

そよかぜさん、おはようございます。
カクレミノでは越冬しないようです。これまでにこのカメムシの越冬を見たのは多くはムクノキやヒノキなどの樹皮下で、葉裏などのむき出しの場所で見たことはほとんどありません。
9月頃に産卵に戻ってくるまでカクレミノではほとんど見かけないので、ご指摘のように春になって別のホストに移動して繁殖している可能性は十分あると思います。ただ私の近所ではヤツデで見かけた例は非常に少ないので、移動しているとしてももっと標高の高い場所とか、あるいはヤツデ以外のホストなのかも知れません。

投稿: おちゃたてむし | 2014年1月16日 (木) 07時25分

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